米F16燃料タンク投下事故、15キロ北には核廃棄物再処理施設
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今日午前8時40分ごろ、米空軍第35戦闘航空団所属機のエンジンが出火し、燃料タンクを湖に投下した。防衛省によると、F16戦闘機が米軍三沢基地を離陸した直後にエンジン部分から出火し、主翼下に取り付けられていた燃料タンク2本を小川原湖に投下した、という。米軍から情報が開示されないため、投下に至った経緯や事故機が飛行した方向、詳細な落下地点などは不明だが、落下したのは全長約5m、幅1m弱の燃料タンクと推定される。離陸直後だったため、タンクには約2.2tのジェット燃料が入っていたとみられる。
詳細な燃料タンク投下地点は明らかにされていないが、もし湖の中央付近に落下したとすれば約15キロ、湖の北端付近からなら約10キロ北上した地域に、使用済み核燃料を再処理するための施設群がある。1993年から建設が進む六ヶ所再処理工場は国内唯一の核廃棄物処理施設で、米軍三沢基地からは約30キロしか離れていない。
原子力関連施設では、航空機事故についてどのような対策をとっているのか。六ヶ所再処理工場を運営する日本原燃(株)はデータ・マックスの取材に対して、「米軍機、民間機、自衛隊機などすべての航空機について、原子力関連施設上空を飛ばないように規制されている。したがって、今回のような事故が施設敷地内で起きる可能性は低い」と強調。また、航空機が操縦不能になるなど不測の事態で施設内に落下する危険性については、「航空機の墜落を想定して、実際の航空機を用いた衝突実験などを行って壁の厚さなどを設計した。万が一の事態にも十分に対応できる」とする。
しかし、福島第一原子力発電所ではその「万が一」が実際に発生した。元京都大学原子炉実験所の小出裕章氏はかつて、六ヶ所再処理工場の災害評価について記している。そのなかで、想定される事故として「三沢基地のF15戦闘機が強力な爆弾を搭載したまま使用済み燃料プールに墜ち、炎上、爆発」するケースをあげ、周囲の被ばく可能性などを詳細に検討していた。
はたして、軍事施設のそばにあえて原子力施設を置く必然性があるのか。沖縄タイムスによると、昨年米軍機が非戦闘地域で通常訓練中に起こした墜落事故は22件で、前年同時期比で38%増加。死者数は37人で、同2.3倍に増えている。六ケ所村の、使用済み核燃料再処理工場(日本原燃HPより)
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