2024年11月22日( 金 )

人材不足が各業界に影響~ゆうパックは平均12%値上げ

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 日本郵便(株)(本社:東京都千代田区、横山邦男社長)は、このほど、宅配便「ゆうパック」の個人向け料金を改定、平均12%の値上げに踏み切った。荷物の大きさや配達先により、従来に比べて40円~360円の値上がりとなった。福岡県内の配送は60サイズ(60cm以下)で690円から800円(13.8%増)に上昇した。
 同社によると、近年の社会保険料負担の増加、人件費の高騰などを理由としている。ネット通販のシェア拡大にともない、宅配業者のドライバー不足が深刻化したことで人件費を上げざるを得なくなったことなどが背景にある。
 「引き続き安定的にゆうパックのサービスの提供を行っていくために、お客さまに負担していただくことになりました。何卒、ご理解いただきたい」と同社はコメントしている。
宅配業界ではすでにヤマト運輸、佐川急便の大手2社も値上げに踏み切っており、これにより大手3社が足並みをそろえたこととなる。

 サービス業の人材不足は近年、深刻化している。福岡の飲食業界では、博多料亭として有名な「稚加榮」の福岡店が2月25日で平日の昼食(サービスランチ)を終了した(小倉店は継続)。
 同社ホームページには、「1973年以来、40年以上続けた昼食だが、人材確保が難しくなり、昼食を続けることができなくなりました」との記載がある。宅配業界、飲食業界ともに人材不足が深刻化するなか、サービスの対価が改めて問われそうだ。

【矢野 寛之】

 

関連キーワード

関連記事