西日本フィナンシャルホールディングス、久保田勇夫会長新春経済講演会(2)
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「なぜそうなるか」を知ることが大切
今回も申し上げますが、次のことにぜひ留意していただきたいと思っております。1つは専門的な話もいたしますが、細かく分からなくても気にしないでくださいということでございます。「どの辺にどういう景色があるか」とか。「どうなりそうだ」ということが分かればよろしいのではないかと思います。それと、「なぜそうなのか」ということが実は格別大切だということであります。なぜかと申しますと、今日の時点の判断はあくまでも今日の時点の判断でして、環境が変わりますとその判断も変わります。「なぜそうなるのか」ということを知っていれば、環境が変わった場合の推測がつきやすいからであります。
そして、もう1つ。私は話をわかりやすくするために少し乱暴な言葉を使うかもしれませんので、「あの時あいつがああいう言い方をしてけしからん」とかということではなくて、それはそれぞれのところを理解するため「めりはり」をつけたとお考えいただきたいと思います。
さて、今年の経済・金融の見通しの解説でございます。時間が限られていますのでやや結論めいた事をまず申し上げまして、時間の配分を考えながらお話をしたいと思っています。やはり、今年の経済は米国の経済政策に大きく左右されるということになると思います。そしてそれは具体的にはトランプ大統領の政策でありますが、詳しくは後でご説明をいたします。トランプ大統領の場合、政策決定過程が非常に不明確、不安定でございまして、実際に何かどう実施されるかということがわかりづらいという特徴が1つございます。
今年の世界経済で2つ目に重要なことは貿易関係の話であります。今日もTPP(環太平洋経済連携協定)をどうするかとか、あるいはNAFTA(北米自由貿易協定)がどうだとか、英国のEU(欧州連合)離脱がどうなるかということをとり上げます。その辺に少し力を入れてお話をしたいと思います。貿易関係のお仕事をされている方もかなりいらっしゃると思いますし、そうでもなくとも今日の国際化の時代には、対外取引の重要性が格段に増しているからであります。それから、私は1995年から97年まで2年間関税局長をやっておりまして、これらの事項は私の所掌範囲でありましたので、国会で答弁をやったことも何回もありましたし、ある程度自信を持ってご説明できるところでございます。3つ目はやはり我が国の経済政策です。とくに金融政策、そして財政政策について多少お話をしたいと思います。その辺りを山にして今日はお話をさせていだきます。
(つづく)
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