2024年11月24日( 日 )

まもなく創業30周年、管理戸数1万戸突破、本社ビル完成へ(後)

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(株)えんホールディングス

存在感増す「管理力」管理戸数1万も視野に

 福岡市博多区と中央区に物件供給を集中させてきた狙いは、管理コストの圧縮だけでなく、エリアに絞って供給することによって精度の高い合理的な管理を可能とするためだ。17年以上に渡り供給されてきたエンクレストの物件は、そのほとんどが博多区と中央区に建てられており、とくに賃貸需要の高いエリアでは、周囲をぐるっと見渡すと必ずエンクレストの物件が視界に入るほどだ。同社では毎月の入居率の推移をホームページ上で公開。入居率は高水準で推移しており17年の年間平均入居率は98.84%を誇る。

 このように、販売力もさることながら、同社の強みは物件の「管理」にある。エンクレストは17年12月末までに97棟が供給され、えんHDグループの管理戸数は8307戸(17年12月末時点)に上る。自社管理で培ったノウハウを生かし、入居者とエンクレストオーナー(投資家)双方へのサポート体制を構築している。

 エンクレスト入居者を対象にしたサービス「えんくらぶ」では、鍵の紛失や水漏れなど、入居者のトラブルを24時間体制で対応する「えんサポート24」のほか、提携店の食事コースやお掃除サービスなど、「えんくらぶ」会員への特典を毎月提供。入居者に対して豊富なサービスが行われている。さらに、同社が中心となって弁護士や税理士などさまざまな分野の専門家とともに発足させた「えんまん相続研究会」では、相続に関する悩み相談を受け付けるなど、投資家を中心に高評価を得ている。

 えんHDの原田透社長は、以前次のように語っていた。「管理戸数が1万戸あれば、市場の波に踊らされず、企業運営が安定します。弊社のお客さまは、オーナーさまと入居者さまです。『立地が良い』『対応が良い』『建物管理が良い』と入居者さまに支持されれば、自然と入居率は高いまま維持できます。入居率が高ければ、オーナーさまの支持を得ることにもつながってくるのです」。

次のチャレンジは本社移転、ホテル開業

本社建設予定地

 供給力と管理力を背景に大きく躍進し、16年12月期に145億円だった売上高(連結)は17年12月期に152億円を計上。18年12月期は157億円を見込むなど、着実に実績を重ねる同社だが、新たなチャレンジも進められている。「熊本でのエンクレスト第1号供給」「本社ビル完成」、そして「ホテル開業」だ。

 18年1月、熊本市でエンクレストの物件第1号「エンクレスト新屋敷」(54戸)が完成。いうまでもないが、福岡市内のエンクレストの物件と同じく、利便性が良く、賃貸ニーズが高いエリアでの供給となった。同社は東京都内で小型マンション・LIEBEシリーズの販売も手がけるが、開発スタンスはいずれも賃貸ニーズが高いエリアに供給するという点だ。

 エンクレストの物件が多いエリアの筆頭は、エンクレストベイサイド通りの完成も記憶に新しい築港本町エリア(福岡市博多区)だが、今最も注目を集めるのが住吉エリアだ。博多、博多Ⅱ、博多LEGENDなど、見渡せば多くのエンクレストが目に入る。17年2月には大型物件、エンクレスト博多STYLE(332戸)が完成するなど同社にとってホットなエリアだが、3月、700坪を超える土地を取得していた。

 同社はまもなく創業30年を迎える。30周年には供給数1万戸突破は間違いないとみられるが、この敷地に本社ビルが完成する計画も進められている。数フロアにまたがっている現在のオフィスをワンフロアにまとめ、社内の風通しの良さを継続発展させるためだという。さらに、「現時点(18年3月下旬)では未確定ですが、新しく完成する本社ビルの高層階をホテルにする計画です」(同社)といい、ホテル運営は自社で行う予定だ。この計画では、2020年秋ごろに本社ビルが完成し、ホテルは21年に開業する。圧倒的な販売力で着実に管理戸数を増やし、強い収益力を身に付けたえんHDグループのチャレンジから目が離せない。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:原田 透
所在地:福岡市中央区大名2-8-22 天神偕成ビル6F
設 立:1989年11月
資本金:1億円
TEL:092-751-8522
URL:https://www.en-hd.jp

<プロフィール>
原田 透(はらだ・とおる)
 1959年7月9日、福岡県生まれ。投資用マンション販売会社を経て、97年3月に(株)えんの代表取締役に就任した。取引業者だけでなく、同業者からも原田氏の経営手腕に関する評価は高い。

 

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