中国経済新聞に学ぶ~中米貿易戦争、中国が負けない理由(後)
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中国に8枚の切り札
米国の中国に対するプレクシャーと威嚇に対し、中国には中国の切り札がある。中国国際貿易学会専門家委員会の李永委員長は、8つの角度から中国の切り札を全面的に分析した。
(1)中国経済は安定
李委員長は、「貿易戦争を戦う上で最も重要な資本は経済の安定的発展にほかならない。中国経済は目下、安定した状況を維持しており、将来も安定的発展を継続する力がある」と述べた。(2)中国には巨大な市場がある
李委員長は、「14億人の人口、2億人を超える中所得クラスターが擁する中国が、貿易戦争を十分に戦うことができるというその重要な根拠の1つは市場規模の巨大さだ。巨大な市場が中国企業に巨大な発展の可能性を与えると同時に、海外の企業にも利益を創造し発展する機会を与え、巨大な誘致力を発揮する。これは中国にしかない優位性だ」と述べた。(3)中国には整った産業分類が備わる
中国は世界で唯一、国際連合(国連)の国際標準産業分類のすべての分類をカバーする国であり、中国独自の分類によれば工業大分類41産業、中分類191産業、小分類525産業をカバーする。
李委員長は、「中国の整った産業分類は中国に対外貿易の競争における優位性をもたらしており、中国の競争力の重要な源泉であり、中国経済の発展に製造への十分な原動力を与え、また中国の未来の産業バージョンアップに必要な基盤でもある。未来の中国の各産業部門はこの基礎のうえに立って、引き続き質を高める必要がある」と指摘した。(4)中国には十分な革新の原動力がある
李委員長の判断は次の2組のデータに基づいている。
第一に、2017年の中国の国内総生産(GDP)のうち2・12%が研究開発(R&D)に充てられ、中国のR&D経費は工兆7,500億元(約29兆7,500億円)に達し、基本的に先進国と変わらない水準になった。
第二に、世界知的所有権機関(WIPO)が発表した報告によると、中国は世界2位の特許出願国で、03年以降は唯一の2けた増加を達成する国となっている。WIPOはあと3年で中国は米国を追い抜くと予想する。
李委員長は、「中国は革新分野で、ここ数年の間に多くの業績を生み出した。ただ未来にもまだ大きな発展の可能性がある」と述べた。(5)中国には良好な起業ムードがある
李委員長は、「中国はこれまでずっと国民による起業を強調し、最新のデータでは一日あたりベンチャー企業の平均登録件数は1万7,600件になり、これはこうした新しい企業、新しい雇用機会が、新しい競争の優位性を形作っていくということだ。政府も起業に向けて良好な環境づくりをしている」と述べた。(6)中国には新業態、新モデル、新興産業が絶えず出現
李委員長は、「中国には新しい業態、新しいモデルが絶えず出現している。たとえば金融科学技術が推進する電子決済やEC、また共有経済(シェアリングエコノミー)モデルもあり、経済に絶えず新たな優位性をもたらしている。新産業には新エネルギー、新材料、
スマート製造、電気自動車、ロボットなどがあり、どれも革新と発展の過程にあり、将来は経済の発展をより力強く支えることになる」と語った。(7)中国はグローバルバリューチェーンで重要な位置を占める
李委員長は、「中国は40年におよぶ発展を経て、グローバルバリューチェーンと供給チェーンのシステムにおいて重要な位置を占めるとともに、地位が絶えず上昇している。『一帯一路』に牽引されて、中国産業のバリューチェーンと供給チェーンが絶えず拡大し、将来は世界のより広い範囲で経済貿易協力を行うようになるとみられる」と述べた。(8)中国には制度の優位性がある
李委員長は、「中国には制度の優位性がある、国の政策、政府の方針決定を通じて、優位性のある資源を集中させ、資源を統合することができ、貿易戦争という角度からみると、戦争の始まりも終わりも効果的に管理することが可能だと思われる」との見方を示した。(了)
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