ライオンズクラブの本質とは
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世界最大級の奉仕団体として知られるライオンズクラブ。世界中に約46,000のクラブがあり、約143万人の会員が所属している。
ライオンズクラブは、『We serve』─「ライオンズクラブを通じて、ボランティアに社会奉仕の手段を与え、人道的ニーズを満たし、平和と国際理解を育む」という使命声明文を発し、「地域社会と人道奉仕におけるグローバル・リーダーを目指す」というビジョンを掲げている。
ライオンズクラブの歴史は100年を超えており、日本国内のクラブ数は3,100にせまり、約11万7,000人の会員が所属している。各地区のクラブが、個人単位ではなく、組織一丸となって地域社会へのボランティアや地域活性のためのサポート活動などをしている。
ガバナーという名誉
ライオンズクラブは各地域にクラブがあり、そのトップのリーダーが、『ガバナー』と呼ばれるポジションだ。任期は1年。
ライオンズクラブは社会奉仕活動団体なので、ガバナーに就任したとしても、多額な報酬を得られるなど、ビジネス的なメリットは皆無だと言われている。ガバナーに選出されるプロセスは各地区でさまざまだが、自薦、他薦問わず、ほぼ平和的に決定されるケースがほとんどだ。
「人格、品格、品性、そしてライオンズクラブでの貢献度などが加味されて、リーダーの候補が出てきます。だいたいのケースで、“この人が将来のガバナーになるだろう”と周囲から見られている方が就任しています」(九州地方のクラブ幹部)という。
金品を贈呈してガバナー就任?
具体名は伏せるが、昨年九州地方のある地区のガバナーの選出をめぐって一波乱あった。ガバナーになりたいがために、投票権がある人々へ金品を贈呈していたというのだ。「確かに高級和菓子の詰め合わせが、送られてきましたよ。そこからガバナーの候補者から“よろしく”という旨のメッセージが読み取れました」と語る。さらに、「後日、その方の“側近”から、手書きのお手紙が届きました。その候補者を“支持してください”という内容の文面でした。ほかの投票権のある人々にも“和菓子、手紙が送られてきた”ということでした」。
金品の贈呈は、ライオンズクラブのレギュレーションに反しているわけではなく、九州地方のあるクラブの幹部は「規定上では、問題視することはない」と断ったうえで、「道義的には、ガバナーの資質はなかったでしょう。組織のリーダーとしての品性、品格がないですね。なぜ、金品を贈呈してまでガバナーになりたいのか理解に苦しみます。人を顎で使いたいのでしょうかね?我々は、自分の仕事を日々行いながら、時間をやりくりしてクラブの活動をしております。それはどの会員の方々も同様で、皆で地域の発展と活性化のためにお手伝いしたいという私心のない奉仕の姿勢からです。その姿勢こそがライオンズクラブで活動する本質です」と力説する。
今後も金品の力を頼ってガバナーのポジションを得ようとするケースがあるかもしれない。今一度、ライオンズクラブの本質を見直していただきたいものだ。
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