フィリピン進出の住宅関連企業を取材~平均年齢24歳国家における事業の魅力とは?(後)
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「若い市場」に魅力
九州八重洲(株)は、1948年10月、東京八重洲の商号で創業し、77年11月に福岡市で九州八重洲興業(株)として設立された。福岡都市圏および周辺地区を中心とした商圏で戸建住宅建築を手がけている。2008年4月に西部ガスグループに入り、同年10月に現商号となった。
同社のブランド「ジョイナス」シリーズの戸建住宅は、年間60棟までの受注として“長期優良住宅×エコ×ガスの家”により、戸建住宅供給を通じて地域のまちづくりに寄与している。とくに都心部における狭小住宅の建築では、優れた技術を提供。同シリーズは、各顕彰を数多く受けており、とくに『ジョイナス新宮 和(なごみ)』は17年度グッドデザイン賞を受賞。周辺地区の古民家の景観を保全するために伝統と現代の住宅のトレンドを採用した「新民家』の開発が顕彰された。
一方で、さらなる事業拡大の機会を捉え、17年6月にフィリピンに現地法人AMBITIOUS URBAN DEVELOPMENT PHILIPPINES INC.を設立し、不動産事業を立ち上げた。九州八重洲代表取締役社長の吉川悟氏は、「約2年前にフィリピンへ進出しました。フィリピンのこれからの発展に先行投資して、新たな事業展開をつくり上げていきます。フィリピン進出の理由はさまざまですが、一番は人口の平均年齢が20代前半であることです。次世代を担う方々が人口の中心層であることはとても魅力的です」と話す。
現在は、首都マニラの高級地区であるマカティにコンドミニアムを購入し、賃貸事業を展開している。家賃は東京都心部並みの価格で、現地駐在員や高所得者がターゲットだ。今後は、同社の中核事業である戸建住宅の供給を視野に入れる。すでにフィリピンの建築会社のNedsteel社とパートナーシップを締結し、総数250戸のタウンハウスの開発に取り組む予定。計画では、土地を含めて1戸あたり300万円の価格で提供されるという。フィリピンの戸建住宅は、同国のライフスタイルからワンルームが多く、「未知数な要素が多々ありますが、まずは弊社の強みを生かした事業を小規模からでも展開していき、フィリピンの方々のライフスタイルに沿った住宅の提供を進めていきたい」と吉川代表は語る。
目的は異なるが、現地法人を設立し、フィリピンの特性を冷静に見極めて事業展開を行っている両社。現地の人材や企業との共存共栄を意識したマネジメントは、今後フィリピンへ進出する事業者にとって大きなヒントになるだろう。
(了)
【河原 清明】<COMPANY INFORMATION>
■九州八重洲(株)
代 表:吉川 悟
所在地:福岡市博多区博多駅東3-14-18
設 立:1977年11月
資本金:1億8,000万円
売上高:(17/3)32億696万円■(株)栄住産業
代 表:宇都 正行
所在地:福岡市東区原田3-5-6
設 立:1976年2月
資本金:9,800万円
売上高:(18/3)54億1,000万円関連キーワード
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