運搬・警備・運搬ロボットを導入し、空港での実用化視野に~三菱地所(後)
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3番目のデモンストレーションは警備ロボット。同社の出資先であるロボット開発会社のSEQSENSE 社が開発した自律移動型ロボット「SQⅡ」がランドマークタワーのオフィスフロアや商業ゾーンであるランドマークプラザの巡回警備を行っている。SEQSENSE 社のロボットは、国際特許を出願中の独自の3D レーザーセンサーを活用した自律走行が可能で、三次元空間を認識して自ら立体地図を作成し、巡回の度に正常な状態との差分から環境の変化を自動的に検出することで、異常を発見することが可能。実証実験を行う2週間の間、実際の警備員を1 名削減して検証を行っている。
各種センサーと高度な AI 機能により人間の目を超えた警備レベルを目指し、長時間連続稼働可能なバッテリーを有しているため、巡回警備業務も従来以上のレベルで実現可能となっていく。「当社がSEQSENSE 社に5 億円出資をした理由は、独自の 3D レーザーセンサーの技術に魅力を感じたからです。当社もロボットの開発段階で協業する意味で、多くの実証実験の場を提供し、より実用性の高いロボット開発を早期に実現することを期待しています。今回の実証実験では、不審物がないかを夜と昼に巡回します。今後、エレベーターに乗ることまでの自走を目指したいですが、現段階では人の力を借りなければなりません」(渋谷氏)。将来的には、ロボットの外部販売も目指す。最後のデモンストレーションは清掃ロボット。カナダの清掃ロボットメーカーAVIDBOTS 社が開発し、マクニカが販売している清掃ロボット「Neo」の導入を検証。自動運転可能な清掃ロボットで、無人で広範囲を清掃することができ、遠隔でリアルタイムに作業状況を確認できる機能もついており、均一な清掃品質を保ったうえでの省人化が期待できる。「水を出してそれを吸い上げる方式の清掃ロボットです。通常、清掃員が深夜に清掃作業していますが、清掃ロボットで、どの程度省人化するかを検証することになります。事前に清掃コースをインプットしていますので、自動走行清掃の能力も検証することになります」(渋谷氏)。稼働時間は5時間で、1時間あたりの清掃可能範囲は1,500m2を見込んでいる。
まず、同社としては空港でこれらのロボットの導入を検討しているが、実導入していけば、空港のみならず丸の内でも次々とロボットがオフィスを運搬、警備、清掃していく時代が到来するかもしれない。同社の戦略として、2017 年より「多様な人・企業が集い、交流する」ことを通じて進化していく街を「オープンイノベーションフィールド」と位置付けている。先端技術・テクノロジーを活用した実証実験の場として同社施設を提供し、まちづくりにおける新技術の実用化のハードルについての検証を行っており、ビルや空港の施設管理も大きく変容していくだろう。
(了)
【長井 雄一朗】
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