一丸となって地場経済のさらなる浮揚へ(2)
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福岡商工会議所 会頭 藤永 憲一 氏
創業支援などの取り組み強化
――商工会議所の役割の1つとして、ここ福岡で起業しようとする人を支援することで、地域を支える商工業者自体を増やし、地場経済の拡大・維持を図っていくというものがあると思います。そうした創業支援の取り組みについては、いかがですか。
藤永会頭 会議所では以前より、「福岡起業塾」と「福岡女性起業塾」という2つの起業塾を開催しており、「福岡で起業したい」という高い志をもった方に対して、経営の基礎知識やビジネスで成功するための心構えなどを習得させる、短期集中的な創業支援を行ってきました。受講者の1年以内の創業率7割以上を目標としており、塾終了後の個別フォローなども実施することで、それなりの実績を積み重ねてきたと自負しております。
今期からの中期方針のなかでは、福岡市のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」や「福岡市スタートアップカフェ」、ベンチャー企業の育成・支援を行っている「フクオカベンチャーマーケット」などとの連携も強めながら、ベンチャー起業家予備軍の発掘・支援につなげていく取り組みを強化していこうと考えています。
――そうした創業も含めて、新たな業種・業態が入れ替わり立ち替わりで生み出される土壌があることが、福岡の強さだと感じます。たとえば、山陽新幹線が博多まで開通したことで辛子明太子が博多土産として全国的に認知されるようになったり、その後は健康食品・通販事業者が台頭してきたり、さらに今では、博多ラーメンが海外にも進出するほどの勢いを見せていることなど、10年周期くらいで業種・業態の新陳代謝が進んでいく、都市としての良い意味での特性があるように思います。
藤永会頭 大陸が近くて港町として発展してきた歴史などもあり、福岡ではそうした事業への挑戦意欲のDNAとでもいいますか、新進気鋭の気風があるように感じられます。国内の他地域と比べると開業率も高いようですし、いろいろな要素があって、九州では福岡だけが突出していますね。
また、事業者同士の結束が他所に比べて強いことも、福岡の特性として挙げられますね。“七社会”を始めとした大企業だけでなく、中小企業を含めて、個性豊かな経営者が業種を問わず、たくさんいらっしゃるということが、福岡の強みであり、厚みではないかと思います。都市の規模としても、巨大すぎず、かといってそれなりの市場規模を有するちょうど良い大きさだったことも、これまでの福岡の発展を支えてきた下地としてあるのかもしれません。
(つづく)
【文・構成:坂田 憲治】<プロフィール>
藤永 憲一(ふじなが・けんいち)
1950年8月生まれ。福岡県出身。73年に京都大学経済学部卒業後、九州電力(株)に入社。経営企画室長、上席執行役員を経て、2009年6月に取締役常務執行役員に就任。12年6月に(株)九電工の取締役専務執行役員に就任し、13年6月代表取締役副社長執行役員、14年6月代表取締役会長を経て、18年6月相談役(現職)。18年6月、礒山誠二前会頭の辞任にともない、福岡商工会議所 第30代会頭に就任した。関連記事
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