中国経済新聞に学ぶ~中国の輸入禁止で ごみ処理が日本の新成長点に(後)
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苦境の中に希望も
日本の複数の専門家が指摘するように、中国が「海外ごみ」の輸入を禁止したことで、日本のごみ輸出企業は仕切り直しを迫られることになった。
福岡県嘉麻市のごみ輸出企業が今年3月、福岡地方裁判所で破産手続きを開始した。日本最大の企業情報データベースを擁する(株)東京商工リサーチが発表した研究結果によると、「これからもっとたくさんのごみ輸出企業が倒産の危機に直面することになる」という。
だが中国の「海外ごみ」制限は、日本のリサイクル企業に新たなチャンスをもたらしたともいえる。たとえばこれまでプラごみを中国企業に売却してきたキヤノンなどの企業は、これから日本国内で「後継者」を見つけなければならないからだ。
首都圏郊外の鉄道沿線には、廃棄物処理業者の看板が増えている。「日経新聞」によると、茨城県笠間市の亜星商事は今年、同県内のごみ処理工場に数億円の追加投資を行って処理能力の向上をはかるほか、8月には千葉県にも新たにごみ破砕処理工場を建設する計画だ。
日本のプラスチック循環利用協会のデータでは、16年に日本で排出されたプラごみのうち、リサイクルされて再生プラスチックや紡績原料になったものは23%だった。同協会は、「この比率を上げれば、日本経済に新たな成長ポイントをもたらす」との見方を示す。
中国のリサイクル企業も日本のごみ処理能力のスキを見定めて、日本に進出し事業を展開する。
「日経新聞」は、浙江省に本社がある大発循環再利用公司が今年3月、埼玉県熊谷市に新工
場を設立したことを伝えた。経営者の杜国強さんは、「工場新設の狙いは日本でごみをリサイクル原料に加工し、中国に輸出することにある。こうすれば新措置の制約を受けずに済む」と話す。同公司は今年9月、同県加須市にも工場を設立する計画だ。同公司以外にも中国のリサイクル企業が日本進出のペースを加速させている。
ごみの国境を越えた汚染ルートを切断
日本のごみ処理業者は力を振り絞って処理能力の向上をはかろうとし、外資系企業も迅速な動きをみせるが、プラごみの回収・リサイクル率を短期間で大幅に引き上げるのは難しい。環境省のデータによれば、中国が輸入を禁止したことの穴を埋めているのは主に東南アジア諸国だ。今年1~5月、日本はベトナム、タイ、マレーシアなど東南アジア6カ国に約7万4千トンのごみを輸出し、これは17年同期の16倍に相当する数字だ。
だが中国に続いて、夕イとベトナムも電気電子機器廃棄物およびプラごみの輸入を禁止・制限する規定を相次いで打ち出した。今年6月に開催された主要7カ国(G7)首脳会議では、欧州連合(EU)が「海洋プラスチック憲章」を発表し、30年までにすべてのプラスチックを再利用や回収可能なものにする、40年までにリサイクル率を100%にするなどの具体的な数値目標と行動計画を打ち出した。日本も今年10月から、「有害廃棄物の国境を越える移動およびその処分の規制に関するバーゼル条約」の見直しを経た「改正バーゼル法」を施行する予定だ。
アナリストは、「中国が『海外ごみ』を受け入れない措置を打ち出したことは、中国の環境保護にプラスになるだけでなく、他の『海外ごみ』輸入大国がこの問題を重視し、『海外ごみ』の国境を越えた汚染を食い止めるチームに仲間入りするきっかけを与えた。日本や米国のような輸出大国・地域には課題がつきつけられるが、長い目でみれば、プラごみなどの固体廃棄物が各国間を行ったり来たりする環境汚染ルートを徐々に切断することにつながる。また各国がごみの無害化処理とリサイクルをより重視するようになり、世界のごみの循環再利用事業のさらなる大規模な発展を推進することになる」との見方を示す。
(了)
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