『脊振の自然に魅せられて』「モミジハグマ」紅葉白熊 キク科 モミジハグマ属
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数年前の8月の終わり頃、仲間と縦走路から脇道へ入り、細い山道を下っているとモミジに似た葉から伸びた細い茎の上に珍しい花が咲いていました。
それは「モミジハグマ」だと花に詳しい仲間から教わりました。細い茎を30cm~40cm伸ばし、あまり人が歩かない登山道に風車(かざぐるま)のような白い花をつけていました。周りを見渡すとほかにも4〜5株ほどあって貴重な野草だと思われます。その時に撮影しましたが、仕上がりはイマイチでした。今年こそもう少し雰囲気の良い写真を撮影したいと思っていました。
登山口から1時間かかるこの場所に、8月末から1週間おきに撮影に行きましたが、まだ蕾の状態で咲いていません。
3度目に訪れた時は8月の猛暑の影響か、枯れる寸前でした。過酷な自然の中、生き延びている貴重な野草を枯らしてはいけないと思った私は、水筒の水を根元にかけてあげました。周りを見渡すと最初に出会った時よりモミジハグマが増えていました。近くの谷の水を汲んでは、「生き延びてね」と声をかけ周りのモミジハグマにも水をかけました。5度目の挑戦で、やっと1本だけ細い上りの山道でそよ風を受けて咲いていました。
モミジハグマとの感動の対面でした。風が止み、太陽が雲に入るのを待ってシャッターを切ります。「ありがとう、来年も会おうね!」といつものように感謝の言葉をかけました。
撮影を終え、細い山道を下ります。念のため側の谷に入ってみました。するとモミジハグマが数本咲いているではありませんか。自然条件が良かったのでしょう。
10枚近く撮影しました。見渡すと10m四方に10本近くモミジハグマがありました。「頑張ってね」と、ひそかに咲いている彼女たちに声をかけて帰り支度をします。この季節、風がないと山では汗ばんだ顔に小さな虫たちが寄ってきます。登山ショップで買った防虫ネットをかぶり登山口へと向かいました。防虫ネットの周りを虫たちが羽音を立てて、あきらめずに寄ってきます。防虫ネットのおかげで刺されずに済みました。時には目に入ってきます。夏から秋にかけての撮影は虫との戦いでもあるのです。
2018年10月2日 記
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行関連キーワード
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