「人は宝」を徹底し、高い定着率を実現(後)
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(株)ヒューマンライフ
求人ではウェブが大きな効果を発揮
同社ではここ10年ほど、大学卒の新卒も採用し始めた。かつても新卒採用に取り組んでいたが仕事内容や職場の雰囲気などがうまく伝わらず、振り向く学生は少なかったという。そこで学生目線で募集案内を見直し、10年ほど前から採用を再開したところ、毎年2名の目標に対し、多い時は4名を採用できるなど、順調のようだ。
「ある年のこと、内定者研修を終えた学生が『良い会社に入った』と嬉し泣きしたこともありました。また、ある年には内定を出しているのに入社承諾書がなかなか来ない学生がいて、締め切りギリギリになって返事をくれたというケースがあったのですが、その理由を尋ねると『有名企業に内定をもらっているのになぜヒューマンライフを選ぶのか』と親から反対され説得するのに時間がかかったというものでした。そうまでしてうちを選んでくれている。新卒が採れないと嘆く会社は魅力がないからでしょう。今の学生は企業をしっかり研究して応募してくるので、労働環境を整え、きちんと経営理念や経営方針を伝えると優位に立てます」。
中山社長はそう話し、面接では学生を見るのではなく会社が見られていると捉え、この会社に入りたくなるよう会社の思いをアピールすることが大切だと力を込める。
同社ではパートの募集も常時行っているが、従来の求人誌への掲載よりウェブを使った方が、申し込みが多くなるという。同社の求人サイトを見てみると「毎日楽しく仕事しています」「あなたのご希望で勤務スケジュールが決まります」などの言葉が並ぶ。同じ仕事をするのであれば、働きがいがあり、働きやすい仕事・職場を選びたいと思うのが当然だが、中山社長はそんなキャッチコピー通りの職場環境を「実際に実現している」と胸を張る。その証拠に新卒採用で辞めた社員はこれまでわずか2名。それも結婚を機に県外に住むことになった、病気が高じてといった理由だそうだ。パートスタッフでも、辞めるケースはほとんどないという。
さて、時代も大きく変わり、通信販売はテレビやチラシを見て注文の電話をかけるスタイルからパソコンやスマートフォンからウェブサイトへ直接注文するスタイルに移行している。コールセンターの存在意義も問われつつあるが、この点について中山社長は、「今後10年で変わるのはたしかだ」としながら「健康食品分野ではまだ人と人のコミュニケーションが求められ、やり方は変われどまだまだコールセンターの需要は高い」と読んでいる。
そんな世の中にあっても、「人は宝」を経営の真ん中に据えることに変わりはない。同社が今後どんな展開を見せるか注目したい。(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:中山 英敬
所在地:福岡市博多区博多駅東2-17-5 アークビル
設 立:1998年1月
資本金:1,000万円
TEL:092-482-8500
URL:https://www.human-life.co.jp<プロフィール>
中山 英敬(なかやま・ひでたか)
1957年、福岡県田川市生まれ。大学中退後、地場の大手企業に入社。98年に独立し(株)ヒューマンライフを創業する。2011年、福岡県中小企業家同友会代表理事に就任。17年、中小企業家同友会全国協議会の幹事長となり、中小企業経営者を多方面からサポートしている。法人名
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