インドネシアは前兆:迫りくる巨大地震や火山噴火『リング・オブ・ファイア』の脅威(前編)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年10月12日付の記事を紹介する。
このところ世界各地でマグニチュード7を超える巨大な地震が相次いで発生している。過去100年の世界における巨大な地震の発生頻度を調べてみると意外な事実が判明する。それは1900年から2000年まではマグニチュード6を超える地震の数は年間10件を超えることはほとんどなかった。ところが2001年以降、今日に至るまで多い時には年間70件、平均すると30件以上もの巨大な地震が発生しているのである。
今夏、わが国では関西地方を巨大な台風と地震が襲い、北海道ではこれまた大きな地震が頻発した。阪神淡路大震災や東日本大震災の記憶も忘れられないが、近づく関東大震災の可能性も否定できない。世界各地で同様の危機が迫っている。2017年夏以降、カリブ海からアメリカ各地を襲った巨大ハリケーンの爪痕が癒えない間に、メキシコでは巨大地震が相次いで発生するという有様だ。
メキシコでは1985年にマグニチュード8.0の地震が起き、3万人が死亡した。そのため、メキシコ政府は同じ悲劇を繰り返さないように、世界初の地震予知・警報システムを開発。そのかいあって、2017年に発生したマグニチュード8.1と7.1の巨大地震の際には、発生の危険を知らせる警報が作動し、多くの国民が安全な場所へ避難することができた。ほんの数分しか避難の時間はなかったようだが、その数分が生死を分けたといわれる。日本でも同様の警報システムが必要であることは論を待たない。
何しろ、火山噴火や地震が起きない日はないからだ。2017年末には、インドネシアのバリ島や南太平洋に位置するバヌアツでの火山噴火の恐れが高まったとの警告が相次いだ。その結果、バリ島では観光客が激減し、バヌアツでは住民の7割が緊急避難を余儀なくされる事態へ。実際、2017年の秋以降、バリ島ではマグニチュード6.1の地震も発生し、ついには火山噴火となった。
そして2018年9月、インドネシアのロンボク島やスラウェシ島ではマグニチュード7を超える巨大地震と火山の噴火が同時に発生、津波の高さも3mから10m近く、多くの住民が飲み込まれた。死者は2,000人を超えるが、いまだ行方不明者の数は把握されていない。インフラが破壊され、救助や支援活動も思うにまかせない有様だ。
こうした自然災害は大きな経済的損失をもたらし、2019年に改選期を迎えるジョコ政権にとっては頭痛のタネとなっている。なぜなら、世界的なリゾート地であるバリ島には年間500万人もの外国人観光客が押し寄せていた。しかし、53年ぶりのアグン山(標高3142m)の大噴火でバリ島の玄関口である国際空港は閉鎖。1日当たり400便超が欠航した。当然、ホテルのキャンセルも相次ぎ、経済的損失は計り知れない。今年はアジア競技大会やパラ大会も成功裏に開催され、観光客も戻り始めていた矢先だけに、インドネシアにとっては厳しい事態が続きそうだ。
※続きは10月12日のメルマガ版「インドネシアは前兆:迫りくる巨大地震や火山噴火“リング・オブ・ファイア”の脅威(前編)」で。
著者:浜田和幸
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