『脊振の自然に魅せられて』「ヤブコウジ」藪柑子 ヤブコウジ科
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山道を歩いていると背丈は10cmから15cmぐらいで、ひっそりと赤い実をつけた植物を目にします。晩秋から冬にかけて、たくましく花や実をつける「ヤブコウジ」です。
「ヤブコウジ」は夏に白い小さな花を咲かせ、晩秋には小豆ほどの小さな赤い実をつけます。その光沢のある赤い実は、寒さにも耐えて冬を乗り切ろうとしています。その生命力に私は惹かれています。
前回掲載したサネカズラの赤い実を探して林道を歩いていると、「ヤブコウジ」の赤い実が目に飛び込んできました。2mぐらいの赤土の崖の上から私を覗いていたのです。歩き続け、疲れていましたが、重い三脚を担いで崖の上に這い上がりました。するとたくさんの「ヤブコウジ」が群生しているではありませんか。
「ヤブコウジ」との出会いに感動しながらカメラと三脚をセットします。太陽光が当たる中、クローズアップで撮影、私と「ヤブコウジ」の対話が始まります。この後、サネカズラにも遭遇しました。
帰宅してパソコンで撮影した「ヤブコウジ」の画像を確認すると、クローズアップの写真よりも全体を撮影したものの、ほうが、より雰囲気が出ていました。翌日、サネカズラの撮影終了後、再度この地を訪れ、違うレンズで「ヤブコウジ」をイメージ通りに撮影してみました。盆栽や生け花の世界でも「ヤブコウジ」は密かに人気があります。また「ヤブコウジ」は十両とも呼ばれています。
万両・千両・百両・十両・一両の実は、いずれも秋から冬に赤熟し、その赤い実は小粒です。そのため古来、これらの赤い実を付けた植物は、お正月の縁起物として、もてはやされてきました。花に番付があるとは面白いですね。ちなみに一両は「アリドウシ」です。鋭い棘をもった低木で、「ヤブコウジ」と同じで小さな赤い実をつけます。
次回は、この「アリドウシ」についてお話します。2018年12月10日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行関連キーワード
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