TATERUが調査委員会の報告書を開示 役員は報酬減額へ
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顧客の預金残高を改ざんしていた問題で、9月5日に特別調査委員会を設置していたTATERU(東証一部)が、調査結果報告書を公表するとともに今後の対応について発表した。
また、経営責任を明確にするため、TATERUは以下のように役員報酬の減額を実施し、常務取締役・古賀聡氏は27日付けで辞任することも発表した。代表取締役CEO 古木大咲氏 月額報酬の 50%を6カ月間
専務取締役COO 大城崇聡氏 月額報酬の 30%を6カ月間
常務取締役 野間大亮氏 月額報酬の 20%を6カ月間
常務取締役 佐伯幸祐氏 同上
常務取締役CFO 高杉雄介氏 月額報酬の 10%を3カ月間
常務取締役CTO 松園勝喜氏 同上
常務取締役CMO 岡田喜則氏 同上
取締役(監査等委員) 應本健氏 月額報酬の 10%を3カ月間自主返上
取締役(監査等委員) 秦武司氏 同上
取締役(監査等委員) 塩濱剛治氏 同上報告書では、目標達成に対する経営陣と営業職員の間の認識の乖離、ネガティブな意見や情報を伝えにくい風土、コンプライアンス意識の欠如などが原因として挙げられた。
同社が9月14日に策定していた再発防止策の業務フローの変更に対しては、「容易に不正を行い得る環境を改善するものであり、効果的」と評価したうえで、風通しの良い職場環境の造成などの企業風土改革や外部識者を委員に任命するなどコンプライアンス委員会の拡充などを提言した。
調査は、TATERUから提供されたメールデータやPC、スマートフォンなどの資料が分析・検討された。さらに、同社の一部役員およびアパート販売営業部の従業員および元従業員94人、顧客1,568人へ資料提供を呼びかけ、顧客へ貸付を行った金融機関33社の一部へ書面などで質問したほか、10月7日から12月13日までの間にTATERUの役職員や顧客、金融機関担当者延べ123人にヒアリングを実施している。
明らかになった不正行為のうち預金残高の改ざんについては、主に営業部長および部長代理が行っていたといい、改ざんを実行したのは営業部長ら31人、調査期間の成約数2,269件のうち改ざん件数は350件と認定した。上場前の一時期には、一部営業職員の間で預金残高の改ざんについて隠語の使用も認められ、上場にあたって不正行為を止めるように営業本部長から営業部長らに対して複数回にわたって不正行為禁止の通告が行われたが、通告のみで実態調査は行われていなかったという。
さらに、顧客の金融機関口座間で送金して着金後の残高で融資申請していたことや、他人の預金残高に差し替えるなどの手法も限定的だが、確認された。調査委員会は、「代表取締役や専務取締役ら役員は不正行為を認識していたはずであると供述した者はいなかった」といい、営業本部長に決裁権限が付与されていたことから、ほかの役員が関与し得る状況にはないと認定した。
【永上 隼人】
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