【金融最前線】スルガ銀行が生き残れるかどうかを検証する(中)
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静岡県に本店がある地銀4行の収益順位表【表1】
収益について:18年12月期はスマートデイズ破綻の影響を受け、スルガ銀行の当期純利益は前年の+347億円から▲961億円となり、前期比▲1,308億円の大幅な損失を計上しているのがわかる。
19年3月期(通期)の当期純利益1位は静岡銀行の520億円で、前期比+18億円(3.7%増)。2位は静岡中央銀行の29億円で、前期比+5億円(21.5%増)。3位は清水銀行の27億円で、前期比±0となっているが、株式売却益などを計上してプラスに転ずるものと見られる。4位は昨年2位だったスルガ銀行で▲975億円を予想。前期比▲1,185億円と大きく減少しているが、はたして予想通りとなるのだろうか。
純資産残高および自己資本比率について:18年12月期の純資産残高1位は静岡銀行の9,815億円で、前期比▲113億円(▲1.1%)。2位はスルガ銀行の2,389億円で、前期比▲1,058億円(▲30.7%)と大きく減少。以下清水銀行は858億円で、前期比+22億円(2.6%増)。静岡中央銀行は452億円で、前期比▲18億円(▲3.8%)となっている。
18年12月期の自己資本比率を見ると、国際統一基準行の静岡銀行は15.67%で、前期比▲0.28%。以下、国内基準の清水銀行は9.44%で、前期比▲0.86%。次がスルガ銀行の9.05%で、前期比▲3.76%と大きく減少しているのが目に付く。静岡中央銀行は公表していない。
静岡県地銀(4行)の預貸金残高比較表(単体)【表2】
預貸金とも順位は変わらない。1位静岡銀行、2位スルガ銀行、3位清水銀行、4位静岡中央銀行の順となっている。
静岡銀行の18年12月期の総貸出金残高は8兆4,960億円で、前年比2,371億円(2.9%増)となっている。貸出金の内訳を見ると一般貸出金は5兆2,959億円で、消費者ローンは3兆2,001億円となっている。譲渡性預金を含めた総預金残高は9兆9,593億円で、前年比3,256億円(3.4%増)となっており、3月期末には10兆円越えの預金残高となりそうだ。
スルガ銀行の18年12月期の総貸出金残高は2兆9,687億円で、前年比▲3,102億円(▲9.5%)と大きく減少。預金残高も3兆2,286億円と、前年比▲8,437億円(▲20.7%)と大きく減少しており、スマートデイズへの不正融資が一般の預金者にも大きな影響を与えたことが読み取れる。
以下、清水銀行の総預金残高は1兆3,989億円で、前年比+141億円となっているものの、譲渡性預金495億円による。一般預金は▲354億円の1兆3,494億円となっている。静岡中央銀行の預金残高は6,194億円で、前年比+186億円(3.1%増)となっている。両行の貸出金も200億円を挟む増加となっている。
静岡銀行など3行の譲渡性預金を含めた総預金残高増加額は3,583億円。一方、スルガ銀行の預金残高は▲8,437億円であり、差し引き4,854億円は都銀・信用金庫・タンス預金・証券会社や、皮肉にも住宅ローンの代理業務を委託している郵便局などへ預け替えられたのだろうか。
(つづく)
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