怪物・カマチグループ創設者、蒲池真澄氏(14)
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民族のための医療を行うのが我が使命(後)
<地域医療構想の策定とともに回復期病院に光が>
●リハビリ職員の教育に情熱を注ぐ
蒲地 今は、リハビリをやって家に帰さないかんというのには、誰も反対しないね。だが今までの病院体制の仕組みがあって、その体制を崩すにはさまざまな関係性も崩さなくてはならないかもしれない。いきなり変えることはできないだろうから、ノウハウを学んでも実践は難しいだろうね。10年経ったらもう少し浸透するのではないか。
とにかく患者さんの術後、治療後の生活が幸せでないといけない。リハビリ医療を行うときに重視すべき点はこれに尽きるよ。僕は必要とされるところに病院を建てる。原宿に建てたのも、関東のような人口過密地域で回復期病院が足りないと知り、患者さんがかわいそうだと思ったからだ。うちだけで従来の3倍ぐらいは増やせたのではないか。しかし、これもリハビリ職員たちの心意気が違うから、そう簡単には真似できないだろう。
学校法人をつくり人材を育てるなど、教育には力を入れる。僕は、今は医師と言うより、教育者であり哲学者だからね。<地域医療はほかの人たちに託す>
●有能なリハビリ職員が独立していく
蒲地 原宿リハビリテーション病院の今後はまだわからない。収益性や地域への波及効果などについては、結果が見えない分、不安もある。過剰投資したからね。ただ半年経ったら、かなりの答えが出るだろうし、来年の秋頃にはどうなるか、かなり具体的にわかるだろう。
ただ僕は地域医療という言葉は嫌いだよ。地域じゃなくて、「民族のための医療」をやるのが自分の役割だと思っているから。
この前、アメリカとドイツのリハビリ医療事情を視察してきたけど、救急医療で障害を負ったとき、そこから何としてでも機能を回復させようという底力は、どうもアングロサクソン系やゲルマン系の民族が強いように思う。アジア系は弱い。日本人は中間かな。そんな風に、世界のことは気にかけているけれど、世界中の医療をやるわけにはいかないから、大和民族のための医療に徹しようと思う。例外はカンボジア。病院を建てて、もう16年になる。勲章ももらったよ。でもほかの国には建ててない。カンボジアには義理があるから。後は日本国内の医療に徹する。
地域医療は僕がやらなくても、ほかの人たちがやればいい。実際、これまで一緒に働いてきたリハビリ職員は独立して別法人を立ち上げ、障がい者支援施設などをつくり、実に良い仕事をしている。僕も池友会の病院を新築するなどで旧施設が空いたら、彼らに使うよう声をかけたりしているし、医師派遣などの協力が必要なところには、行ってもらっている。もし、そこから救急受入の要請があれば、来てもらっても構わない。とにかく僕は民族のためにやるべきことを、自分ができる範囲でやる。ほかのこと、後のことを考えている時間はない。それよりも、今、自分ができることをしっかりと考えなくては。(つづく)
<プロフィール>
蒲池 真澄
学校法人福岡保健学院創設者、社会医療法人財団池友会理事長、カマチグループ会長。
1940年4月14日、福岡県八女郡黒木町生まれ。蒲池家は江戸中期から8代続いた医師の家系で、蒲池真澄で9代目となる。59年 福岡県立修猷館高校卒業、65年九州大学医学部卒業。東京虎ノ門病院でインターン(1年間)、九大大学院医学研究科、下関市立中央病院、福岡大学医学部を経て、74年に今日の池友会グループの礎となった下関カマチ病院を開院し独立した。関連キーワード
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