イオン九州、3社統合を延期 高コストと老朽店、喫緊の課題(1)
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イオン九州(株)は9月予定だったマックスバリュ九州(株)、イオンストア九州(株)との経営統合を延期する。前期に続き今期も業績低迷を避けられず、新会社の足を引っ張りかねないと判断した。統合時期は未定としている。今後3年間は総合スーパーの出店を凍結、既存店強化に集中し営業力を立て直す。収益改善には高コスト構造の改革と老朽不採算店の処理を避けて通れない。
統合の前提崩れる
「統合の前提となる利益を上げられなかった。このまま統合するのは株主の理解を得られない」。4月上旬の決算発表会見でイオン九州(株)の柴田祐司代表取締役社長は延期を発表する一方で、マックスバリュ(MV)九州(株)と統合に向けた協議を継続していく、と述べた。
イオン九州の2019年2月期の営業収益は前期比3.3%減の2,244億円と6期連続減少、営業利益は94.2%減の5,000万円、経常利益は81.2%減の2億5,900万円に落ち込んだ。集中豪雨による店舗休業にともなう受取保険金があり、最終利益は1億6,500万円と62.9%増だった。
当初計画では営業収益は0.4%増とほぼ横ばいながら、営業利益は10億円、経常利益11億円を見込んでいた。統合後はMV九州の利益と合わせ、ダイエー大型店を継承したイオンストア九州の赤字を埋めたうえで利益を上げられるとの算段だった。イオンストア九州は18年2月期で11億5,100万円の最終赤字を計上。不採算店閉鎖を進めているものの、前期も赤字を免れなかったと見られる。
仮にイオンストア九州(株)の今期赤字が18年2月期並とすると、新会社が年10円を安定配当するには少なくとも15億円程度の当期純利益を上げる必要がある。前期のイオン九州とMV九州の最終利益合計は12億3,500万円で、今期もMV九州の11億円を合わせ13億円の予想で届かない。しかも、統合後にイオン九州が現在、イオン本体から受け取っているイオンストア九州の業務委託料(前期は48億円)がなくなると、利益は下振れする恐れがある。
今期も鈍い利益回復
前期の減収は、既存店が2.2%減と苦戦したのと、集中豪雨で主力店の1つ、イオン小郡店を3カ月間休業したのが要因。食品・日用雑貨を主体にナショナルブランドを3回にわたって値下げし販売をてこ入れしたが、持続的な売上増につながらなかった。売上の2割強を占める衣料が3.6%減と不振だったのも響いた。販管費を1.7%削減したものの、減収による売上総利益の減少を補えなかった。
今期の営業収益は1.9%減の2,200億円と減収の予想。1月末原店(福岡市早良区)と2月末上峰店(佐賀県上峰町)の総合スーパー(GMS)2店を閉鎖したのが減収要因になる。
営業利益は3億円、経常利益は3億5,000万円、当期純利益は2億円と増益に転換する見通しだが、経費減頼みで回復力は鈍く利益水準は低い。
(つづく)
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