『脊振の自然に魅せられて』「道標設置事業3」~いよいよ道標設置へ
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平成20年(2009年)10月10日、道標設置出発式が行われた。早良区役所の関係者、前原市(現・糸島市)、新聞社、そしてワンゲルからは先輩のTと後輩のS、私の3人が出席、総勢約50名が脊振山の山頂駐車場に集まった。この出発式は荒瀬区長(現・副市長)の発案でもあった。
荒瀬区長の挨拶に始まり、さわら魅力づくり推進委員会の代表Yの挨拶が済むといよいよ、道標第1号の設置が開始される。
ここは金山―三瀬峠―井原山―雷山―十坊山まで約40kmの脊振山系縦走が始まる地点でもある。我々の道標設置は早良区エリアの脊振山〜三瀬峠間に道標と地図、合わせて42本を設置するという大事業である。
ワンゲルのメンバー3人と、早良区役所担当のNがスコップで穴を掘り始めた。道標の支柱を固定する穴を50cmほど掘り、支柱が回転しないように根掛かりの木材2本を釘で固定し、穴を埋める。そして周辺の小石を集め支柱を固定し、最後は比較的大きな石を積み上げて完了する。
固定された支柱に目線の高さに合わせて標識を取り付ける。取り付け用の穴は、すでにトンカチ舘での道標パーツ製作時にドリルで穴を開けている。それに合わせ、支柱がひび割れしないようにドリルで穴を開け、ボルトで2カ所固定していく。このボルトを固定するのにスパナだと作業効率が悪いので、車での作業用に購入していた私物のラチェットを使った。
ラチェットは閉めては戻す、閉めては戻すことが連続して出来きる優れ物の工具である。ボルトの径は17ミリ、閉めていくと軽い金属音が響いてゆく。固定した支柱の先端に15cm四方の道標番号を取り付けて作業は完了する。第1号の設置作業は思考錯誤ではあったが比較的順調に進んだ。
新聞社のカメラが我々の方を向いている。「新聞に載るのかな」と思いつつ第1号を設置していった。支柱に取り付ける標識2本は「脊振山10分」と金山方面の「椎原峠100分」と記した標識である。NO.1と書かれた番号の下には早良区役所の焼印が押されている。そのNO.1の番号を取り付けて作業完了。真新しい道標1号は40分程度で設置が完了した。
第1号が完成するとセレモニー出席者たちは脊振山頂へ登るもの、勤務先へ戻るものと三々五々別れて行った。
我々、実行部隊4人は第2号の設置に向かった。第2号は第1号設置場所近くのキャンプ場の水場である。第2号の設置場所は土が柔らかく、日確的スムーズに設置できた。
第3号は自衛隊道路から気象レーダーへと通じるゲート入口。慣れてきたこともあり、設置作業のスピードが徐々に上がってきた。手が空いているものは小石集めに走った。
第4号は矢筈峠、椎原バス停から脊振の縦走路に出会う場所で、道標の材料を運び込むための自動車が通行することができる。事前に区役所のNが気象台に電話してゲート入口の鍵番号を教えてもらっていた。
車の使用によって荷揚げの距離を1kmは稼げる目論見だったが、なんと当日はこの道路が草刈り作業中で、すでにゲートが開いており、作業を順調に進めることができた。
"日本庭園″と呼ばれる砂岩でできた広い場所がある。第1日目最後の設置となるNO.6は本格的な縦走路となるこのポイントに設置し、初日は当初の計画通り終了した。設置が完了するとホッと一息、感無量だった。
2日目以降は、如何に道標設置のための人材確保をするかについて熟考の日々が続いた。
(次号に続く)
2019年5月22日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行【脊振の自然に魅せられて』~道標設置事業~】の記事一覧
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