【スーパーゼネコン18年度決算】オリンピック控え業績は最高水準(3)
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今期の見通し
工事採算は苦戦するとの見立てにより保守的な計画とするのが近年の大手ゼネコンの傾向となってきた。大林組は売上高2兆300億円、経常利益1,565億円と減収減益を予想しており、土木工事は350億円以上の増収を見込むが、建築事業が300億円近く減少する見通し。同社グループが469億円で落札した水泳会場のオリンピックアクアティクスセンター(江東区、延床面積約6万5,500m2)は今期に完成する予定。
来期以降の完成を予定している工事は、みなとみらい21中央地区53街区で大規模複合ビル(延床面積約18万m2)(20年12月着工、23年11月竣工予定)、虎ノ門ヒルズビジネスタワー(19年12月竣工予定)など。高品質なオフィスを中心に、商業施設、ホテル、にぎわい施設、オープンイノベーションスペースなど多様な空間を有したWEST棟(高さ153m)、EAST棟(同85.5m)の2棟のビルで構成する大規模複合ビルとなる。
さらに、25年の大阪・関西万博や統合型リゾート、インフラ整備に積極的に対応する。関連施設の建設や交通インフラの整備などが見込まれることから、18年12月に個別プロジェクトの営業を担当する「大阪万博・IR室」(現・「大阪関西万博・IR室」)を設置。19年4月には全社体制で総合的かつ効果的な営業活動をするための「夢洲開発推進本部」を、社長直轄の組織として設置した。
鹿島建設の今期は売上高2兆400億円、営業利益1,185億円、経常利益1,270億円、当期純利益900億円の増収減益を見込んでいる。15年3月期以前の利益と比較すれば収益力は格段に向上しているが、19年3月期に続き、今期も減益となる見通しだ。
清水建設は今期売上高1兆7,600億円、経常利益1,350億円と増収増益を予想。業界においては、労務需給の逼迫や原材料価格の上昇が懸念されるが、公共投資が堅調に推移すると見込まれていることと、首都圏を中心に民間建設投資の動きも依然として活発であることから、受注環境は底堅く推移すると予測している。東京オリンピック関連では、「有明体操競技場新築工事」「国立代々木競技場耐震改修工事」などを受注している。
大成建設は今期売上高1兆7,400億円、経常利益1,490億円を見込んでおり、増収減益を予想。東京オリンピック関連では、「新国立競技場」を受注しているが、オリンピック以降も、引き続き国内市況は堅調さが保たれる見通しの下、今期の建設事業(単体)は前期から1割増と、意欲的な受注を計画。利益面では、未確定な追加工事の獲得などを織り込んでおらず、前期より粗利率が悪化する見込みだが、前期の期初計画と同水準であることに加え、期中に竣工を迎える大型工事が多いことから、追加工事の獲得などによって計画から一定の上振れを期待している。
竹中工務店は今期売上高1兆4,000億円、経常利益850億円と増収減益を予想。市場環境そのものは堅調に推移しているが、一方で労働力不足の懸念など予断を許さない状況にあり、物価上昇のリスク、国内同業他社との競争環境も厳しくなっていることが要因とされている。受注高も減少する見通し。
オリンピック関連工事では、新国立競技場新営工事(屋根工区)や有明アリーナ(仮称)の完成を控えている。今後のプロジェクトでは、22年完成予定で三井不動産が主導する再開発・「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」、森ビルが開発する虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー(20年4月竣工予定)の施工を手がける。
(つづく)
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