激変する情報通信業界でチャレンジを続ける 九電グループを代表するイノベーション企業(1)
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(株)QTnet 代表取締役社長 岩崎 和人 氏
九州エリアの電気通信事業者として、自治体や企業などの法人を対象としたサービス「QT PRO」、光ブロードバンドサービス「BBIQ」、モバイルサービス「QTモバイル」や、マンション一括受電サービスの「BBIQ電力」などを手がける(株)QTnet。九電グループのなかの情報通信事業部門として存在感を発揮する同社の、現在の取り組みや今後の事業戦略などについて、同社代表取締役社長・岩崎和人氏に聞いた。
(聞き手:弊社代表・児玉 直)
<プロフィール>
岩崎 和人(いわさき・かずと)
九州大学大学院工学研究科情報工学専攻課程修了後、81年4月に九州電力(株)に入社。90~94年に現QTNetへ出向するなど情報通信部門を歩み、2010年6月に電子通信部長、11年7月に情報通信本部部長、14年6月に執行役員情報通信本部長を経て、16年6月に(株)QTnetの代表取締役社長に就任した。4つのブランドで提供する法人&個人向けサービス
――御社は今年で設立32周年になりますが、最初の20年間は苦労の連続だったことと思われます。
岩崎和人社長(以下、岩崎) 我々が身を置くIT業界は、変化のスピードがとても激しい業界です。たとえば、弊社が取り扱っているサービスも、急速に増えてきました。新たなサービスを開発して「これしかない!」と思ってやっていても、すぐに新たな技術がやってきて、既存のものを凌駕していく―。この30年間、そうした技術革新と、他社との競争との繰り返しです。その都度、大変なときもありましたし、良かったときもあって、今に至っているという感じです。ただおっしゃるように、最初の20年以上は大変な期間が長かったですね。
最近になって、社会的な信頼性も上がり、個人のお客さまにも選んでいただけるようになりました。
現在、弊社が提供しているサービスは、大きく4つのブランドに分けられます。まず、自治体や企業などの法人を対象としたサービス「QT PRO」、光ブロードバンドサービス「BBIQ」、モバイルサービス「QTモバイル」、そしてマンション一括受電サービスの「BBIQ電力」です。売上高に占める割合は、大雑把にいうと法人向けとコンシューマーサービスとでおおよそ半々。もともと弊社は法人向けサービスの提供からスタートしており、官公庁や金融系、教育系などの法人さまからの信頼を得て、そうしたところに向けてのソリューションサービスを提供させていただいています。そうした法人向けでは当然ながらコンペもあるのですが、幸いなことに弊社のサービスを評価いただき、採用していただくケースが多いです。
――御社にとっての最大のライバルは、やはりNTTさんになるのでしょうか。
岩崎 近年は業界内でもさまざまな新興企業が台頭してきており、そうしたところとも競争はしておりますが、やはり最大のライバルはNTTさんですね。技術力といい、組織力といい、資金力といい、非常に強力です。
――御社は九州全域を営業エリアとされていますが、今後のエリア拡大戦略についてどのようにお考えですか。
岩崎 やはり九州のなかでは福岡は都市部の人口密度も高く、弊社だけでなく他社もいろいろと進出してきていますから、互いにしのぎを削る激戦区になっています。一方で、九州全体に目を向けると、弊社のサービスを提供可能なエリアは全体の6~7割。5万人以上の人口を有するエリアを中心に回線を獲得してきましたが、九州は地理的特性で5万人以下のところも多く、残り3~4割のエリアにはまだ行き届いていません。ただし、現在はこれだけITが普及してきていますし、今後の新たな情報インフラ登場の可能性も踏まえたうえで、エリア拡大も積極的に考えていこうかと、現在検討しているところです。
(つづく)
【文・構成:坂田 憲治】<COMPANY INFORMATION>
代 表:岩崎 和人
所在地:福岡市中央区天神1-12-20
設 立:1987年7月
資本金:220億2,000万円
売上高:(19/3)約575億円関連記事
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