2024年12月26日( 木 )

『脊振の自然に魅せられて』 道標設置も最終段階へ(後)

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 道標設置事業までの時間経過を振り返ると以下のようになる。

 荒瀬早良区長に面談したのが2008年5月、下見を開始したのが6月、9月にトンカチ館で道標パーツづくりを4日間行う。道標設置開始が10月10日、9日間の設置作業で終了したのが11月22日。登山地図と道標、併せて42カ所、延べ参加人員150名、6カ月間におよぶ大事業であった。費用総額100万円は早良区役所が負担した。

 事業を企画した当初、費用や人材の確保について悩んだこともあった。これだけの大事業を成し遂げられたのは、私の脊振への熱い思いに共感してくれて大勢の人々が参加してくれたおかげだと思っている。また、ソニー勤務時代に養った能力開発も役に立った

 後日、早良区役所主催で道標完成式典記念登山が行われた。式典は脊振山頂駐車場下の広場で大々的に行われ、前原市役所(現・糸島市)、佐賀県、佐賀市など行政や記念登山参加者などが参加した。

 記念式典終了後、秋景色の中、登山参加者と設置されたばかりの道標を見ながら、片道1時間ほどの縦走路を歩いた。

 ススキが群生するビューポイントからは福岡市街地がはっきりと見渡せた。参加した登山者は、このすばらしい景色に満足していた。山歩きはここが終点、脊振山駐車場へ引き返し、道標設置記念登山は終了した。

 ワンゲル一同は早良区役所のキャラクターと記念写真に収まり、翌日の新聞に写真入りで記事が掲載された。こうして、一連の道標設置事業は終了した。

福岡市の吉田市長(当時)からの感謝状

 西南学院大学ワンダーフォーゲル部は道標設置作業に協力してくれた伊都遊歩道クラブとともに福岡市の吉田市長(当時)から感謝状が贈られた。

 早良区役所で授賞式があり、ワンゲル主将Hと次期主将I嬢、先輩OBのTと私の4人が代表で出席、伊都歩道クラブからは8名ほどが出席し、早良区役所の荒瀬区長から感謝状を授与された。

西南学院大学バークレー学長と記念撮影。中央が主将のH

 その足で、ワンゲルの参加者4人で西南学院大学のバークレー学長に報告に行き、学長と記念写真を撮った。

 早良区役所は前原市(現・糸島市)や佐賀市、佐賀県と交流を深め、行政改革を行ったとして福岡市長から表彰されたとも聞いている。

 2008年から2013年までの5年間で脊振山系の早良区エリアに道標と登山地図70本の設置が完了した。また伊都遊歩道クラブも同時期に200本設置していた。脊振山から十坊山までの約50kmの区間に合計270本の道標が設置されたことになる。

 これを記念して2014年から毎年4月29日(祝)に伊都遊歩道クラブと協力して「脊振山系山開き」を開始した。

 早良区エリアは金山、糸島エリアは井原山と雷山の隔年で行った。毎年、大勢の登山愛好者が両山に訪れ、山頂で配った記念タオルが足らないほど盛況であった。伊都遊歩道クラブとの山開き同時開催は第5回まで5年間続いたが、伊都遊歩道クラブは会員の高齢化もあって、今年から辞退している。

 道標設置に協力してくれた当時のワンゲル現役諸君、OB・OGのメンバー、指導と協力をしてくれた伊都遊歩道クラブの皆さま、そして早良区役所に厚くお礼申し上げます。

※道標設置事業の一連の資料はファイリングし、私の書棚に大切に保管しています。

(了)
【道標設置事業編・完】

2019年6月25日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行

(前)

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