2024年12月26日( 木 )

『脊振の自然に魅せられて』「私へのご褒美 ウワミズザクラ」(バラ科 ウワミズサクラ属 湿潤した環境を好む)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 2019年4月29日(祝)は脊振山系山開きの日です。毎年、この日に開催していますが、今年は雨で中止となりました。

 「山開き中止」の告知を「山開き開催」を案内した福岡市のHP、私のブログ、ヤマップ、フェイスブックなどで知らせました。

 当日の早朝は小雨でした。「もしかして登山者が登って来るかもしれない」と思い、早朝6時に車で自宅を出て、金山の登山口4カ所に山開き中止の告知作業をしに行きました。

 2つ目の花乱の滝登山口で思わぬご褒美が待っていました。前回紹介した満開のハイノキです。

 ハイノキの撮影を終えた後、車に戻り、ふと前方を見上げると樹木に白い花がたくさん咲いているのを見つけました。長さ10cmの穂に瓶類を洗うタワシのような白い花をつけています。この花は2、3日前に脊振の林道で見かけていました。

ウワミズサクラ
2019年4月29日撮影

 ワンゲルの先輩T(脊振の自然を愛する会・副代表)は、毎年ここにウワミズサクラを見に来ると言っていました。「これがウワミズサクラか」、周りを確認すると高さ10mほどの樹木が2本ありました。2本とも降りしきる小雨のなかにたくさんの花をつけていました。

 1本は蔦に絡まれて撮影には不向きだったので、姿の良い樹木の方にカメラを向けました。一眼レフのズームレンズを思い切り望遠にして全体の雰囲気、花のアップなど、余分な光線が入らないよう慎重に構図を決め、10枚ほど撮影します。

 愛用のカメラは雨で少し濡れていました。雨の日の撮影にはカメラが濡れないようにカメラの上にタオルを掛け、カメラの内部やレンズに水分が入り込まないように注意しています。私流の撮影方法です。カメラ用のレインカバーを使ったこともありますが、速攻性にかけるので今は使っていません。

 ずいぶん前に糸島のアンの滝の撮影時に使っていたら、水のなかに落ちて濁流とともに流れていきました。それ以降、タオルをカメラにかけるようにしています。

私へのご褒美が2つ

 花乱の滝登山口で見事なハイノキとウワミズサクラが私を歓迎してくれました。それから三瀬峠と佐賀県の山中地蔵から通じる登山口で告知作業をし、4カ所すべてで「山開き中止」の作業を終え、ほっと一息つきました。

 簡易型のレインコートを羽織ってはいましたが、雨と汗で体が少し濡れていました。

 林道と山中地蔵からの登山口の中間にもウワミズサクラが道路を挟んで2本咲いていました。以前見ていた場所です。

 帰り際にもう一度撮影をしました。私とウワミズサクラの静かな対話の時間です。撮影を終え、ウワミズサクラに「また来年会おうね」と、別れを告げ、帰宅しました。

 車のエアコンを入れ、濡れた体を乾かしながら自宅へ戻ります。三瀬峠へ向かう旧道の国道263号は曲がりくねったカーブが続きます。あたりは霧で覆われ、早朝の国道ではすれ違う車もありません。幾度かカーブを曲がると、知り合いのレストランに車が1台ひっそりと停まっていました。「就寝中かな、それとも朝食中かな」と思いつつ、「おはよう」と心のなかであいさつします。

 自宅へ戻り、ワンゲルの先輩 Tに「花が咲いていましたよ」と連絡を入れました。Tは3日後に見に行ったようです。「ウワミズサクラは遅かったバイ」、Tの感想でした。花の命は短く、見頃は1週間です。

 パソコンの電源を入れ、インターネットで検索すると、今日見た花はたしかにウワミズサクラだと確認できました。桜と同じバラ科ですが、とても桜の仲間とは思えません。脊振山系では4本しか確認しておらず、数少ない貴重な樹木のようです。

 「降りしきる 雨に打たれて ウワミズサクラ 霧につつまれ 今が見頃と」

<私のカメラ手入れ方法>

 帰宅後、すぐにヘアドライヤーを温風にして、カメラとレンズを乾かしました。カビ対策です、こうやって愛用のカメラを大切にしています。

2019年7月8日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行

関連キーワード

関連記事