2024年11月13日( 水 )

令和新時代と太宰府

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令和元年7月7日
前太宰府市長 芦刈茂

 新年号「令和」についてはかなり問題提起され議論されているので、ここでは
(1)万葉集をとの関係性について今後どのような方向性をもって進めていくのか
(2)令和新時代に太宰府市はどのような政策が望まれるのか
以上2点について提起したい。

 (1)新年号令和ゆかりの地・太宰府。令和は730年(天平2年)太宰府で行われた万葉集「梅花の宴」に由来する。本年4月1日の新年号発表以来、伝・大伴旅人邸宅跡の坂本八幡宮には推定25万人、太宰府展示館には10万人の来訪者があった。(6月末現在)

 万葉集「梅花の宴」は、353年東晋時代の中国の書聖・王羲之が現在の中国紹興市の蘭亭で曲水の宴を開催した際に詠んだ「蘭亭の序」がモデルである。当時の中国、日本、朝鮮半島に共通の文化は、漢字、年号、仏教、儒教、律令制であった。従って古代東アジアの漢字文化圏の詩歌としての「万葉集」、紹興市「蘭亭の序」、百済時代唯一残る「井邑詩」をアジア的規模で見直すことは万葉集の聖地・太宰府にとって意味のあることと考える。(全羅北道最南の井邑は旧地名・水城である。)

 また太宰府は歴史と和歌のまちでもある。万葉集時代の、大伴旅人、山上憶良などの筑紫歌壇の歌人らに始まり、数々の和歌が伝えられている。また郷土の歴史家岡部定一郎氏は、小倉百人一首には太宰府に関係ある28人の歌人がいるとされている。令和新時代、万葉集を東アジア文化圏のなかでとらえなおし、ユネスコ創造都市ネットワーク文学部門登録を関連のまちと連携し実現することを大きな方向性として提起したい。

 また私たちは、太宰府「万葉集」、中国紹興市「蘭亭の序」、韓国「井邑詩」を取り上げ国際シンポジウムを企画したい。太宰府、プヨ郡、紹興市で文化庁が認定する日韓中の東アジア文化都市に名乗りを上げることも考えられる。

 (2)おそらく今回の新年号「令和」は道真公が太宰府に流され、お祀りする太宰府天満宮ができて以来のミレニアム千年のチャンスである。この好機をとらえ、国際交流、まちづくり、ひとづくりにどのように生かしていくかが問われている。

 私が市長2年目に、通古賀近隣公園を大駐車場にする、政庁前バス駐車場を梅が枝もち、うどん、スイーツの甘味処にする、政庁前から市役所先まで3車線にすること、そのためには規制緩和を実現するために国際観光特区に国の認定を受けることを提案した。政争の結果議論だけで終わっているが、度令和新時代にもう一度検討に値することと考える。

 ややもすれば市民運動をしている人には歴史・文化・観光を取り上げることそのものにアレルギーがあるのが太宰府の不幸な現実である。そうではなくこの令和新時代を積極的に活用し、今後どのようなまちづくり、ひとづくり、国際交流の方向性を10年から30年の単位で見通しをたて、全市民、関係機関、大学と連携し打ち出していく議論を町ぐるみで取り組んでいく必要があるのではないか。

 あと私の所に市民から寄せられていることとして
1・「政庁祭り」をもう一度大宰府政庁跡で、複数日開催する。
2・大伴旅人の「旅人くんキャラクター」をつくる。
3・小・中学校で万葉集、百人一首の勉強をして、学芸会で梅花の宴を再現する。
4・企業誘致、ホテル誘致の営業部隊をつくり、関係先にあたる。
5・令和記念の文芸総合誌を編集、発刊する。
6・観世音寺、戒壇院、政庁跡、坂本八幡宮、水城をまわる周遊コースの設定
7・国連のSDGs(持続可能な開発目標)に全市をあげて取り組む
などがある。

太宰府市前市長 芦刈茂

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