スーパーマーケット 表の事情と裏の事情(2)~お客が求めるもの
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お客がスーパーマーケットに求める一番のポイントは「自宅から近い」である。それは価格や鮮度より優先される。毎日欠かさず消費する食品は購入頻度が高く、時間という手間を考えると、鮮度や価格だけで店を選べないからだ。
その距離と時間を最優先でお客に提供するのがコンビニである。販売する商品アイテムはスーパーよりはるかに少なく、価格も安くない。しかし、家に近く、24時間いつでも利用可能ということで、今やコンビニは全国いたるところで多くのお客に支持されている。
この時間と距離の問題はスーパーマーケットでも同じだ。たとえば、24時間営業の店の商圏は深夜になると大きく拡がる。普通のスーパーマーケットは大方午前9時から午後10時くらいまでなので、深夜から早朝までは競合がなくなるからだ。
自宅に近い店が閉店すれば、遠くの店に行かざるを得ない。自宅から近い店が開いてないから24時間店舗が物理的に一番近くなるからだ。しかし、スーパーの24時間営業にはある問題がある。それは売り場の切り替えである。
スーパーマーケットで大事なのは売り場の鮮度感である。この場合の鮮度というのは商品の鮮度だけではない。売り場の全体イメージである。いうまでもないが、生鮮4品の売場イメージはお客にとって店舗選択の重要な条件だ。
スーパーマーケットの1人あたり買い上げ点数は10点前後で、そのなかに生鮮4品のいずれかが少なくとも数点は入っている。生鮮はスーパーマーケットの独擅場であり、生命線でもある。
だから業界では「生鮮強化」という言葉が盛んに使われる。簡単にいえば新鮮で高品質の生鮮食品を安く豊富にお客に提供するということだが、容易なことではない。
【筑前 太郎】
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