スーパーマーケット 表の事情と裏の事情(6)~ディスカウントには勇気がいる
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一般的にはたくさん仕入れれば原価が下がるというのが常識と見られているが、それは誤解だ。メーカーの経常利益率は想像以上に低い。問屋に至っては100円売って1円の利益確保も容易ではないから原価はなかなか下がらない。
だから安く売るには身を切るしかないし、それができないなら自分たちでブランドをつくるしかない。
たとえばPBといわれる小売店がつくるブランドがある。イオンのトップバリューやセブン&アイのセブンプレミアムなどがその代表だが、これは同一ブランドでの価格競争を避けることと製造分野に参画することで原価を下げ、利益率を高めることを目論んだものだ。
しかし、我が国ではナショナルブランド志向が強く、メーカー名抜きの小売会社ブランドは長い間苦戦してきた。そして大多数のPBがいまだにその域を脱していない。
消費者がスーパーマーケットに求める機能は少なくない。それは鮮度であり価格であり、品質であり従業員の接客態度だ。さらに店内の整理整頓、清潔、駐車場。トイレであり、アクセスのしやすさである。これらはすべてコストにつながる。
これらにコストを割きながら、さらに価格を安くするのは容易ではない。たとえ利幅の大きいPBがあったとしてもそれが売れなければ目論見通りにはことが運ばない。加えて、PBは同種のNBと競合関係になり、市場シェアを奪い合うことになる。
【筑前 太郎】
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