スーパーマーケット 表の事情と裏の事情(9)~同業態M&Aか異業態進出か
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埼玉を本拠に関東、首都圏を中心に161店を展開するヤオコーは2017年、神奈川のディスカウンター、エイヴイを傘下に収めた。両社は両極端な経営手法だ。
ヤオコーは高いクオリティーの売り場づくりで評価が高い企業であるのに対し、エイヴイはBGMまで省いたコスト削減を徹底するディスカウンターである。
そのエイヴイの営業利益率はヤオコーの半分しかない。いわゆる主義主張が正反対の両社である。福岡でいえばハローデイとルミエールが合併するようなものだ。
成功体験を見直すには勇気がいる。ヤオコーは30期連続で増収増益を続ける勝ち組企業だ。商品力や店舗展開でも業界内で高い評価を受けている。そんなヤオコーが対岸的経営の企業を自社に取りこむのは業態的限界を認識したからだろう。
クオリティー型の店舗は豊かな商圏を必要とする。豊かとは質、量の双方をいう。商圏人口が密で所得も高い方がいい。首都圏や大都市圏はその条件が十分期待できるが、それでも近年、店舗数の増加が続き、出店余地は少なくなっている。
残された道は同業態M&Aと異業態への進出だ。しかし、異業態との合同はその風土によって醸成された価値観の違いという大きな問題を生む。
【筑前 太郎】
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