大学並みの人工芝グラウンドや屋内練習場~ヒガシの強さを支える充実した練習施設(前)
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サッカー部とラグビー部、同時練習が可能
全国の高校が注目する東福岡高校のスポーツの強さ。その陰には練習施設の充実ぶりがあげられる。学園創立65周年・高校創立55周年記念事業の一環として新校舎建設工事とともに導入された人工芝グラウンドはその象徴といえるだろう。広さは福岡ヤフオク! ドームのフィールド面積・約12,000m2の1.7倍。ラグビーとサッカー、ハンドボールの公式サイズフィールドがすっぽり入り、九州の高校では初めて人工芝でグラウンド全面を覆った。
この人工芝は時代の最先端をいくもので、ドイツのプロサッカーチームがホームグラウンドなどでも使用。当校ではラグビー場に緩衝材を埋め込むなど、独自のケガ防止対策も施している。また、温度抑制チップを組み込んでおり、夏場の表面温度を一般の人工芝より8度ほどマイナスに保っている。もちろん、水はけはよく、雨が降ってもしばらくすれば練習が可能になるのは部員たちにとってはメリットだ。
工事が竣工したのは2009(平成22)年のこと。それまでは土のグランドで、風が強い日などは砂が舞い、近隣の住宅から苦情も寄せられていた。しかも、2000(平成12)年、香椎校地に専用野球場が完成するまでは野球部もグラウンドを使っており、サッカー部やラグビー部ら3つの部が場所を譲り合いながら練習していたという。
当時、施工を請け負ったゼネコンの工事責任者で、現在は当校の施設管理を担当する小柳憲治氏は人工芝工事についてこう振り返る。
「あの工事は近隣の住民の方にとってうるさかったはずで、騒音で文句をいわれることを覚悟していました。ところが、むしろ工事を歓迎されている様子で、ちょっと驚きましたね。それだけ、砂埃でご迷惑をおかけしていたんだなと改めて思ったものです」
土のグラウンド時代からサッカー部とラグビー部は常勝軍団として名を馳せていた。そこへ人工芝導入で練習環境はさらに整い、両部の強さはより確たるものになったといえよう。
園児も使えるよう配慮した屋内練習場
東福岡高校は、中高一貫教育を目指して設立された東福岡自彊館中学校や体育館など、関連施設が博多区東比恵2丁目に集中しているように思われがちだが、実は東区香椎にも校地があり、附属幼稚園が1982(昭和57)年に開園している。
香椎校地は自然に恵まれており、樹影が濃い緑地のなかに広がる。ここに2000年、レフト93m、ライト100m、センター122m、サブグラウンドも備えた本格的な野球部専用の練習場が完成。それまでラグビー部やサッカー部と共用していたグランドから移転した。その近くには学園創立60周年・高校創立50周年記念事業の1つとして2004(平成16)年、BIGBOXという多目的屋内練習場も誕生している。
当初は野球部とテニス部の練習場、それに園児たちのサッカースクール開催を想定し、福岡ヤフオク! ドームで使用されている人工芝を張ったが、毛足が短いため園児のケガが憂慮され、ロングパイルのクッション性豊かな人工芝に張り替えた。するとテニスボールが弾まなくなりテニスには不向きになるため、BIGBOX横に人工芝コートを新たにテニス部用として造成している。
現在、BIGBOXは野球部の雨天練習場のほか、幼稚園主催のサッカー教室や荒天時の保育活動に使っている。
(つづく)
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