2024年12月22日( 日 )

日本を代表する大手建設会社、殺人マンション裁判の顛末~毀損された強度・資産価値を適正な状態に戻せ!(7)

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日本を代表する大手K建設 殺人マンションの顛末

 ――政府は、30年以内に首都直下型地震が発生する確率は70%以上と警告していますが・・・。

 仲盛 そうです。30年以内に70%以上の発生確率というのは、「30年間は大丈夫」ではなく、「明日にでも首都直下型地震が発生するかもしれない」ということです。地震により豊洲市場が倒壊した場合、東京都や裁判所は どう責任を取るつもりでしょうか?
 予想されるコメントは「想定外の規模の地震だった」というものでしょう。それほど、役人には 国民・都民を守るという意識が薄いのです。彼らが目指しているのは 定年まで汚点を付けないこと、上層部まで出世していれば、天下りの道も見えてくるという程度のもので、我々 民間人から見れば滑稽に見えます。

 ――ところで、豊洲市場の設計偽装を行った日建設計は、国内最大手の設計事務所であるがゆえに 全国で多くの建物の設計や監理を受注していると思いますが、それらの建物の設計は大丈夫でしょうか?

 仲盛 豊洲市場をめぐる日建設計の対応を見るかぎり、偽装が豊洲市場だけに限られているとは考えにくいと言わざるを得ません。日建設計は建築設計業界ではガリバー状態です。
 私は 東京や大阪の中心部を歩く機会があります。日建設計の看板を掲げた現場を数多く見かけますが、ほかの大手設計事務所の看板を掲げた現場は それほど見かけません。これは、発注者である東京都などの自治体と深い関係があるからこそ為せる技ではないでしょうか?実際に、日建設計につぐ位置にある大手設計事務所の方は 日建設計のガリバー状態を快く思っていないと語っていました
 豊洲市場に続き、全国の日建設計が関与した建物(その多くは公共建築物)において偽装が発覚した場合、各地の庁舎などの公共建築物が使用不能となり、行政が機能マヒという事態も想定され、日本中を巻き込む大事件に発展する可能性も考えられます。

 ――今年6月には、日建設計の常木康弘氏がJSCA((一社)日本建築構造技術者協会)の会長に就任しました。

 仲盛 JSCAの森高前会長は、東京都の市場問題プロジェクトチーム(以下「PT」)において 構造の専門家という立場で委員を務めていました。PTの会議に日建設計が出席して説明を行ったことがありますが、この時、JSCAの森高会長は日建設計を擁護する姿勢に終始していました。PTで説明を行ったのが 他ならぬ日建設計の常木氏でした。
 この時点で常木氏はJSCAの副会長でもあり、PTにおける日建設計の説明とこれを擁護するJSCA会長は、同じ組織の会長・副会長という立場で、いわば「身内の庇い合い」だったのです。そして、よりによって、豊洲市場の設計偽装の張本人がJSCAの新しい会長に就任したのです。

 ――市場問題PTは 結論ありきの儀式に過ぎなかったということですね?

 仲盛 市場問題PTは、豊洲市場の違法性・安全性などを検証する場ではなく、単に「専門家を集めて検討しましたが 問題ありませんでした」という結論ありきの会議だったのです。東京都にとって 豊洲市場を早く開場し、既成事実にすることが大命題だったのです。仲卸業者が起こした訴訟も 事実上のフリーズ状態です。豊洲市場の開場から1年経ち 世間に根付きつつあります。東京都および東京地裁は この既成事実化を狙っていたのでしょう。

 

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