地球の温度変化が生じる理由とは何か
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は原発排除を明確にしない地球温暖化論議には深い疑念がつきまとっていると訴えた12月15日付の記事を紹介する。
地球の表面温度が上昇傾向を示しているのは特定の制約条件を置けば事実であろう。気温の上昇が続けば、さまざまな影響が生じるのも事実である。プラス面もあるがマイナス面もある。しかし、地球の歴史上、表面温度の変化は大規模に繰り返されてきた。もっとも深刻な影響が広がったのは、表面温度が低下した局面である。「地球寒冷化」の方が全体としては深刻な影響をもたらしてきたと言える。
「パリ協定」は、近年に観察されている表面温度上昇の原因が化石燃料消費に伴うCO2発生量増加によるものと断定して、CO2の発生量削減を取り決めたものである。しかし、表面温度の上昇が化石燃料消費増加に伴うCO2発生量増加によるものであるとは、実は断定できない。
「気候の複雑なシステムは根本的に予測が困難である」「人間活動が温暖化の支配的な原因かは明らかでない」とする、科学的な見解が広く表明されている。いわゆる「地球温暖化仮説への懐疑論」は、科学的根拠をもって広く保持されているものだ。しかし、マスメディアは、「人間活動による地球温暖化仮説」に対する懐疑論に対して、説得力のある根拠を示さずに、頭ごなしにこれを批判する。このようなヒステリックな対応に疑念を持つことが重要だ。
地球の環境破壊を望む者は少ない。自然災害の増加を望む者も少ない。地球環境の悪化が進行している主因がCO2発生であることが疑いのない真実であればCO2発生を抑制することが重要ということになるだろう。しかし、地球の表面温度の上昇がCO2を主因とするものなのかどうかは断定しきれない。
地球の表面温度は長期で捉えると大きな変動を示している。第2次大戦後というようなミクロの時間軸ではなく、1000年単位、1万年単位、1億年単位で大きな変動が示されてきた。
はるかに温暖な時代もあった。はるかに寒冷な時代もあった。生物はそれぞれの環境のなかで多様性の形状を変化させてきた。したがって、現在観察されている表面温度の上昇について、その背景を根拠不十分に断定することは控えるべきだ。
この問題と離れて、人類として、どのようなライフスタイルを追求するのかを考えるべきだ。化石燃料の大量消費がさまざまな弊害をもたらしているのは事実である。エネルギー源として、再生可能エネルギーにシフトさせること、自然エネルギーにシフトさせることに反対する人々は少ないと思う。
問題はCO2削減が原発稼働に結びつけられることだ。火力発電と原子力発電を比較すれば、圧倒的に弊害が大きいのは原子力発電である。この議論を行うべきである。この議論を抜きにCO2削減の主張を拡大すれば、必ず原子力発電活用に議論が導かれる。ここを避けているから地球温暖化論議に対する疑惑が払拭できないのだ。スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマで事故が発生した。フクシマの事故はまったく収束していない。フクシマではいま、汚染水の管理が限界に到達しつつある。この放射能汚染水を海洋に放出することが検討されている。
※続きは12月15日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「地球温暖化論議に欠落している最重要問題」で。
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