2024年12月24日( 火 )

【虎党記者のちょっとひとい記】~熱烈タイガースファンのオーナーが営むカフェ「珈琲工房ONE NOTE」・福岡市中央区

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 記者は兵庫県出身で、生まれた時から生粋のタイガースファン。今年の交流戦はヤフオクドームでホークスと対戦し、暮れのゴールデングラブ賞(キャッチャー部門)には福岡県出身の梅野隆太郎選手が選ばれるなど、在福のタイガースファンにとって思い出深い1年になったのではないだろうか。

 そんな中、「タイガースファンが経営する珈琲店が大濠公園にある」という情報を聞きつけた記者は、冬晴れが心地よく空気の澄んだ12月某日、大濠公園にある珈琲店を訪れた。

ここはまるで阪神甲子園球場

 記者が訪れたのは、福岡市中央区荒戸2丁目、地下鉄空港線の大濠公園駅1番出口を出て徒歩2、3分にある「珈琲工房ONENOTE(ワンノート)」。遠くから見るとひっそりとした隠れ家的ただずまいをかもし出しているが、近づくと我らが阪神タイガースの「国旗」ならぬ「球団旗」が!まるで阪神甲子園球場を訪れたかのような感覚に陥った。

 期待に胸を膨らませ、お店のドアを開けると、オーナーがこちらを見て「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた。オーナーを務めるのは川上賢司さん。同店は1995年に宅配専門としてスタート。その後、ベイサイドプレイスに出店し、現在地へ移転して今に至っている。お店に入ってすぐ左手には、普段なかなか見かけられない年代を感じさせる焙煎機。オーナーの珈琲に対する並々ならぬこだわりを感じさせる。

 奥に進むと、選手のサイン色紙、ユニフォーム、トラッキーのぬいぐるみなど、至るところにタイガースグッズが置いてあるのが目に入った。関西だとタイガースファンが集う店では当たり前の光景だが、ここ福岡はソフトバンクホークスのお膝元。ホークス色を前面に出すお店は各所で見かけるが、ここまでタイガース色を出すお店は福岡ではそうそう見かけられない。まるで甲子園のライトスタンドに招待されたような錯覚に陥った。

阪神ファン限定ラテに思わず感動

 2名掛けのソファー席に座りメニュー表を手に取る。右上をみると「阪神ファン限定ラテ」の文字が目にとまった。これを見たら頼まないわけがない。迷わず注文することにした。

 注文を待っている間、店内をぶらぶらと散策していると、古い雑誌と新聞が目にとまった。タイガース勝利を彩る翌日のスポーツ紙と、熱烈ファンなら誰もが知っている「月間タイガース」(しかも30年以上も前のプレミアモノ)だ。記者はまるで少年のような眼差しで、誌面を食い入るようにして眺めていた。

 しばらくすると注文したラテが記者の目の前に運ばれてきた。ラテアートには、我らが阪神タイガースのロゴマークが――骨董品を眺めるかの如く、カップを手に取りロゴマークを見つめ、ほのかに香る珈琲の香りを楽しみつつ、口をつけるのが憚られ、しばし余韻に浸っていた。

 一口、そしてまた一口と、ラテアートを崩さないよう、慎重に口に運ぶ。口に運ぶ都度、何度ロゴマークの虎と目を合わせただろうか。虎は何も言わず、最後までこちらの様子をただただ見つめていた。

来季こそはリーグ優勝、そして悲願の日本一!

 記者以外にもタイガースファンと思しき2名の男性が来店し、「阪神ファン限定ラテ」を見てその出来栄えに驚いていた。聞けば2人も阪神タイガースの熱狂的ファン。バース、掛布、岡田はじめ、往年の名選手がいた85年の優勝時代から、「暗黒時代」と呼ばれたダメ虎時代、星野・岡田両監督によってもたらされた2003年と05年の悲願のリーグ優勝時代、さらには近年のタイガースの戦いぶりに至るまで、話題が尽きることはなかった。

 皆の注目は、今年退団を表明した鳥谷選手の去就、復活に向けて試行錯誤を続ける藤浪投手、今季大活躍の近本選手を始めとした期待の若虎たち、いぶし銀のベテラン福留選手や糸井選手、藤川、能見両投手、来季の新外国人の出来不出来、といったところであろうか。鳥谷、メッセンジャーと長年投打を支えた選手がチームを去り、期待の若手が軒並み伸び悩むなかで、来季のタイガースはより厳しい戦いが予想される。しかし、「勝っても負けても虎命!」来年も引き続き、誰よりもタイガースを熱く応援し、よい1年にしたい。

【長谷川 大輔】

【店舗データ】
店名:珈琲工房ONE NOTE
住所:福岡市中央区荒戸2-2-8 ロワールマンション大濠2-1F
TEL:092-741-7117
営業時間:午前10時30分~午後8時
定休日:不定休

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