「山口はイージス・アショアに適地」と副防衛相が説明
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山本朋広副防衛相は17日、山口県庁で村岡知事や萩市長、阿武町長と面会し、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の陸上自衛隊むつみ演習場への配備に関し、「同演習場は西日本で唯一の適地」であると説明した。
以下は山口県庁での山本朋広副防衛相と花田憲彦阿武町長の面談内容について
花田憲彦阿武町長 私の立場を若干説明申し上げます。私はむつみ演習場へのイージス・アショアの配備に対しては反対の立場です。ただし現今の緊迫した国際情勢のなかで、弾道ミサイル防衛、あるいはIAMDなどのミサイル防衛の必要性について異を唱えるものではありません。「必要な防衛はしっかりすべきだ」という考えです。ただ候補地とされるむつみ演習場は、住民の生活圏、あるいは生産活動圏にあまりに隣接しているのではないかと申し上げているわけです。
そしてまた地域住民も電磁波による健康被害であるとか、風評被害、落下、攻撃テロや事故、さらには基地の巨大化、そして基地関係建設物や舗装などによって表面加工によって地下水の影響とか水質への影響を心配しているところです。
こうしたなかで昨年9月に地元から「むつみ演習場への配備計画撤回を求める請願書」が議会あてに提出されまして、町議会が満場一致で採択をした。私も町長として、「配備計画に反対である」旨を表明させていただきました。
また今年2月に特定の政治思想や団体に属さない純粋に町民だけで組織をした「阿武町民の会」が結成され、会には阿武町の有権者数の過半数を超える方々が署名ではなくて、会員として登録された。私は、これは「町民は確固たる反対の意志を抱いている調査である」というふうに理解をしております。
本町は人口3,300人の本当に小さな町ですが、人口定住対策やIターンUターン施策、あるいは子育て支援対策など、いろいろと実施して全国的に誇れる大きな実績もあげております。ある意味、「過疎高齢化が進行する市町村のモデルでもある」と自負しているところです。
そうしたなかで住宅地に隣接した「むつみ演習場」への配備は、これまで私たちが取り組んでまいりました町の生き残りをかけた施策展開の方向性を根底から破壊するものに通じて、人口の急激な減少を誘発し、ある意味で「町の存亡に関わる危機」と私は認識をしておりまして、このことを繰り返して訴えてまいりました。
こうしたなかで報道によれば、菅官房長官および河野防衛大臣が適地選定にあたっては候補地と住宅地の距離を重要な判断要素とする旨の発言をされたと聞きおよんでおりまして、私はまったくその通りでありまして、地域住民の安全を第一とした本質、主旨はむつみ演習場においても基本的にはまったく同じであると思っております。
先ほども申し上げましたが、この問題は発生した当初から「むつみ演習場は住民の生活圏、生産活動圏にあまりにも近接しているので適地ではない。到底住民の理解を得られない」と再三にわたって申し上げているところでありまして、その意味で今回明らかになった候補地選定の基本的考えに照らして、むつみ演習場を候補地から除外することに大きな期待を抱いているところであります。
山本副大臣におきましては、どうかむつみ演習場ということではなく、住民の生活圏、生産活動圏に近接しない場所、そして「1km2」などという広大な面積を取っ払って改めて適地調査をされ、むつみ演習場への配備については、断念をしていただくようお願いをするものであります。
山本朋広・防衛副大臣 まず「秋田県の新屋演習場への配備計画を見直す方向で検討に入った」という報道について今、知事がお話をされましたが、本年5月の秋田への説明におきまして、説明資料のデータに誤りがありました。そのため東北地方の他の国有地の検討について、約1km2以上の、そして、なるべく平坦な敷地を確保できる、加えて、日本海側に位置するという配備候補地としての基本的な条件を有する新屋演習場、弘前演習場、その他18カ所の国有地についてゼロベースで公平に検討することとしております。
しかしながら現段階では、まだ検討の前提となる再調査を実施しているところでありまして、何かしら方針や検討の方向性を決定したという事実はありません。新屋演習場への配備を断念したとの事実もありません。
この点に関し、山口県についても申し上げれば、これまでの検討において、約1km2以上の、そして、なるべく平坦な敷地を確保できる、加えて、日本海側に位置する国有地を抽出いたしましたが、むつみ演習場以外にはその条件を満たす国有地がありません。
もとよりイージス・アショアの配備および運用にあたっては、地元の皆さまに安全上の影響が生じないようにすることが大前提です。こうした考え方の下、本年5月に山口の皆さまに示した施設配備案を検討するに当たっても、周辺住民の安全安心についても十分に考慮をしてまいりました。保安距離をむつみ演習場内に収めることにより、安全性を確保したうえで、周辺住民の皆さまに少しでもご安心をいただくよう、レイヤーとVLS、迎撃ミサイル垂直発射装置は、人家などから可能な限り離して設置をするということにいたしました。
このような防衛省の考え方について今回の説明内容も含め、ご理解をいただけるよう、今後も丁寧に説明をしていきたいと思っております。
次に先ほどご指摘の知事、町長の連名で、我々防衛省が行った各種調査の結果について照会文書をいただいておりましたが、これについては本日回答文書を発出するとともに、防衛省のホームページにも掲載をしております。今後、萩市議会や阿武町議会や地元住民の皆さまに対し、ご説明を丁寧にさせていただきたいと考えております。
最後に、本日は西台の測量調査、説明内容の確認、見直しの結果などについてご説明をさせていただきましたが、防衛省といたしましてはむつみ演習場でイージス・アショアは安全に配備運用できるものと考えておりますが、今後も丁寧に説明を尽くしていきたいと考えております。
今後、萩市議会や阿武町議会でのご説明の機会、また地元住民へのご説明の機会もいただきまして、地元の皆さまのご理解が得られるよう、また地元の皆さまのご懸念、ご不安を払拭できるよう具体的でわかりやすい説明に務めてまいりたいと思います。本日は貴重なお時間をいただき、本当に改めてお礼を申し上げます。
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