JP保険不正販売とかんぽの宿不正払下げ事案の接点
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は日本郵政、日本郵便、かんぽ生命の社長の更迭を求めた12月20日付の記事を紹介する。
拙著『25%の人が政治を私物化する国-消費税ゼロと最低賃金1500円で日本が変わる-』(詩想社新書)
に「民営化」問題について詳述した。「民でできることは民に」のフレーズ下で民営化が推進されたが、この考え方自体が誤りだ。
「民がやるべきことを民に」でなければならない。「公がやるべきことは公に」でなければならない。
「民営化」は巨大利権である。公的企業を民営化すると経営トップが高額報酬を受け取れる。公的企業幹部が熱心に民営化を推進する第一の理由がここにある。
かつて国鉄が民営化されたが、民営化に伴い、民営化鉄道会社のトップに就任し、経営最高ポストを数十年にわたり握って離さないような人間まで現れている。「自分の利益のための」民営化だったのだ。
必需品・サービスであり、独占が許されている事業であれば、事業として成り立たないことがない。国家が巨大な投資によって築いた事業を受け取れば、資本はリスクなしに巨大な利益を確保できる。
「民営化利権」に多くの巨大資本と守銭奴が群がるのだ。郵政民営化は350兆円の郵政マネー、郵政保有の巨大不動産、郵政が展開する新事業の巨大ビジネス利権を簒奪(さんだつ)するために、ハゲタカ資本が小泉純一郎内閣に指令したプロジェクトである。
2005年4月に閣議決定された郵政民営化関連法案において、法案決定の直前に竹中平蔵氏の指示で「かんぽの宿」などの売却規定が法律案に盛り込まれたと関係者が証言している。この点に関連することを竹中氏が自身の著書のなかで記述している。
「メルパルクホールやかんぽの宿等、本来の仕事、つまりコア事業でない(したがって競争力もない)ものは資産を処分して撤退するべきだと判断した。」かんぽの宿は旅館ビジネスの一つであり、本来業務ではないから資産を処分して撤退するとの主張だ。しかし、この内容は竹中氏の別の場での発言と矛盾する。
竹中氏は2008年3月、不動産会社森ビル子会社「アカデミーヒルズ」が実施したパネルディスカッションで次のように発言している。「ここ数年で東京の開発がすごく進みましたが、六本木ヒルズを除けば、ほとんどがJRなどの跡地開発です。そうした開発しやすいリソースが今後、どのぐらい出てくるんでしょうか。
一つは郵政がありますよね。ものすごい資産を持っていますから。ところが、これまで法律で定められたこと以外はできなかった。東京駅前の一等地にありながら東京中央郵便局の有効利用ができないのは郵便と貯金とかんぽしか、やっちゃいけないからです。不動産事業はできなかった。しかし民営化すれば、それができるようになる。」こう述べて、郵政グループは民営化後に本業以外の事業に進出できることをアピールした。
2009年1月、かんぽの宿不正売却事案が発覚した。「かんぽの宿」79施設が109億円という破格の安値でオリックス不動産に売却されることが明らかになった。所管の鳩山邦夫総務相が「国民が出来レースと受け取る可能性がある」と発言して待ったをかけ、結局、不正廉売は未遂事案にとどまった。
※続きは12月20日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「保険不正販売日本郵便横山邦男社長の正体」で。
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