「スマホで錬金術」「月収120万円」謳い高額請求～東京都の情報商材販売業者に業務停止命令

　東京都は1月21日、情報商材やシステムサポートの通信販売、電話勧誘販売を手がけている（株）WAVE（東京都新宿区、長尾豊代表）に対し、特定商取引に関する法律に基づき、通信販売業務3カ月、電話勧誘販売業務6カ月の業務の一部停止を命じた。長尾代表に対しては、当該停止を命じた範囲の業務を新たに開始することの禁止を命じた。業務停止命令はいずれも1月22日からとなっている。

　同社は2017年設立。副業サイトやSNS上の広告で、「スマホで錬金術」「月収120万円稼げる」などと謳い、一般消費者を自社ウェブサイトに誘引。無料情報を受け取れるとしてメールアドレスやSNS登録を促していた。しかし登録後は、「スマホで錬金術を始めるには、ビジネスセットの購入が必要」などと案内。「割引価格7,000円にて特別にご提供」「今ならご登録いただいた方に16,000円（税込）」など、実際よりも著しく有利であると一般消費者に誤認させる広告表示で、ビジネスセットを契約させていた。

　また、契約を締結した一般消費者に対しては、「初回のお電話サポート」と称して電話予約をさせるが、実際にはその電話で「AES」と称する高額なシステムとサポートサービス契約の勧誘を行っていたことも判明。電話勧誘では、「すぐに利益が上げられる」「サポートコースに加入すれば絶対に稼げる」などと案内していた。

　2018年から19年にかけ、東京都には同社に関する相談が約50件寄せられていた。とくに19年の相談件数は44件にもおよび、消費者庁からも注意喚起が促されていた。インターネット上では、「騙された」「とんだ無駄遣いだった」「許せない」などといった書き込みが散見された。

　同社は昨年10月31日開催の株主総会の決議により解散が決定。今年1月15日に解散登記が行われており、現在は清算手続が行われている模様だ。同社の従業員は、「昨年からすでに事業は行っていない。今後のことについては担当者が不在のため、今すぐお答えはできない」としている。

【長谷川 大輔】