野党の腐敗が日本を絶望的にしている
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は東京五輪の開催は「絶望的状況」と訴えた3月14日付の記事を紹介する。
圧倒的多数の日本国民が認識していないが、2011年3月11日の16時36分に発令された「原子力緊急事態宣言」はいまも解除されていない。日本はいまも「原子力緊急事態」の下にある。
コロナウイルス感染が拡大して新型インフルエンザ対策特別措置法が改定された。緊急事態宣言を発令し、私権を制限できるように法律が改悪された。コロナウイルス感染拡大の混乱に乗じて民主主義の根幹を破壊する法改定が強行されたことに主権者は抗議しなければならない。
危機に乗じて国家が権力を増大させる。「ショック・ドクトリン」だ。法改定を受けて安倍首相が記者会見したが、現在は緊急事態宣言を発する局面ではないという。ほとんど審議もせずに拙速な法改定を強行する意味はなかったことが明らかにされた。問題の根幹は野党の対応にある。
野党は安倍内閣に独裁権限を付与する法改定になぜ協力したのか。森法相の暴言で国会審議には応じられないとしながら、安倍首相が森法相に厳重注意しただけであっさりと本会議開催に応じた。附帯決議に速やかに国会に報告することが盛り込まれたが、附帯決議に法的拘束力はない。
立憲民主党の山尾志桜里衆院議員が造反したが、山尾氏の主張が正当である。TPPの日米版である日米自由貿易協定の批准はTPP批准と同等の意味がある。TPPは日本を米国化するための条約であり、日本のTPP参加への反対運動が全国に広がった。しかし、そのTPPから米国が離脱したから、日本の米国化の危機はいったん後退した。しかし、トランプ大統領は日本に二国間協議を要求し、安倍内閣がこれに応じた。
安倍首相は国会審議で、日米FTAはやらないと国会で何度も繰り返しておきながら、米国が日米FTAを要求すると、一切の反対を示さずに米国の命令に服従した。完全な対米隷属だ。
その日米FTA協定の第一弾である日米自由貿易協定が昨年の臨時国会で批准された。安倍首相の桜疑惑が拡大し、安倍首相出席の下での集中審議が求められた。野党は安倍内閣がこれに応じなければすべての国会審議に応じられないとの対応を取ることができた。ところが、立憲民主党、国民民主党は自公と連携して日米自由貿易協定の委員会採決、本会議採決に抵抗なく応じたのである。今回も森法相の暴言を受けて、森首相の辞任を要求できたはずだ。ところが、実体上の抵抗を示さずに新型インフルエンザ等対策特別措置法の改悪に協力した。
日本共産党とれいわ新選組は反対した。少なくとも国会での事前承認を義務付けることが必要だ。法改定が強行されたが、安倍首相が緊急事態を宣言しなかった。拙速な国会審議を行う理由すらなかったのだ。時の内閣に独裁権限を与えることは議会の自死行為である。
※続きは3月14日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「東京五輪開催が絶望的である理由」で。
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