私たちの老後年金資金があぶない!
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は安倍内閣下の「いかさま景気」について論じた3月28日付の記事を紹介する。
3月26日の月例経済報告で安倍内閣がようやく景気回復の文言を削除した。
太平洋戦争の分岐点は1942年6月のミッドウェー海戦。空母4隻を失う大敗だった。敵方の損失は空母1隻の喪失だった。
大本営はこの海戦結果を
日本軍の損失=空母1隻喪失、1隻大破、巡洋艦1隻大破
敵方の損失=空母2隻の喪失
に改竄して発表した。
太平洋戦争は開戦から半年しか経過していないこの時点で形成が完全に逆転していた。『大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』の著者・辻田真佐憲著氏の集計によると、大本営発表では太平洋戦争中に敵の空母84隻、戦艦43隻が撃沈されているが、実際は空母11隻、戦艦4隻しか沈んでいなかったという。
でたらめな戦果は昭和天皇にも奏上され、天皇は戦争末期に「(米空母)サラトガが沈んだのは、今度で確か4回目だったと思うが」と苦言を呈したといわれている。1942年から43年にかけてのガダルカナル島での戦闘。日本軍は2万名もの隊員を死亡させて大敗北した。大本営はこれを「転進」と発表した。
辻田氏の著書タイトルは、そのまま「犬HK発表 改竄・隠蔽・捏造の安倍内閣」にして使えそうだ。日本経済は2018年10月から景気後退期に移行している。昨年10-12月期のGDP成長率は-7.1%だった。7-9月期は+0.1%で、消費税増税前の景気浮揚はなかった。
景気浮揚がないのに、消費税増税後に日本経済は急落した。年が明けても消費回復の兆しは見られなかった。
そこにコロナショックの影響が加わった。みぞうゆうの大不況に移行しつつある。遂に安倍内閣も白旗を揚げた。
日本経済は2014年3月から2016年5月まで2年強の景気後退を通過した。前回の消費税増税不況だ。しかし、安倍内閣はこの事実を隠蔽して、景気回復が続いているとの虚偽発表を続けてきた。これが安倍内閣下の「いかさま景気」だ。私たちの老後資金を預かる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2019年末の運用資産残高は169兆円だ。GPIFは資金配分の詳細を公表しなくなった。
したがって、正確な推計はできないが、基本ポートフォリオに基づいて仮定計算すると、この3カ月間に25兆円程度の資金を失った可能性がある。たった3カ月で運用資金の15%を失った可能性があるのだ。重大な問題だ。
1.3億人の国民全員に1人10万円を支給しても13兆円だ。GPIFが損失を生まない資金運用を行っていれば、その差額で1人20万円の現金支給をすべての国民に給付できた。アベノミクスで国民生活はボロボロだ。
アベノミクス下で潤ったのは大企業だけ。企業利益だけは2倍以上に拡大したが、それは労働者に対する分配所得を圧縮した裏返しの現象である。
雇用の数だけは増えたが、その4分の3は非正規雇用で、1人あたり実質賃金は5%も減った。
こうした時代に私たちは生活防衛を図らなければならない。※続きは3月28日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「コロナ経済対策を利権の巣窟にするな」で。
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