【コロナに負けない(16)】西福製茶(株) SARSや災害に学び異変へ備え
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国内外でお茶の卸売を手がける西福製茶の代表・西宏史氏は2003年に日常の備えの重要性を痛感したという。
「SARS」が猛威を振るった同年は「アジア太平洋こども会議」における交流事業が中止となった。長年運営のサポートに取り組んできた西氏だったが、脈々と築いたものが消滅していく様子を目の当たりにした。
同年7月には「平成15年豪雨」が発生。御笠川が氾濫し、工場・事務所が浸水、それを見て愕然としたそうだ。当時は水害保険が充実していなかったことに加え、行政から災害認定は受けられなかった。そこで高額な機械の再購入を見送り、完全自社製造から撤退。一方で得意分野の販売力を強化し、海外にも販路を求めた。さらに外部との連携を図りながら積極的に商品開発に取り組み、八女茶を用いた入浴剤やボトルセット、デザートソースなど次々に商品開発を行ってきた。これらは高く評価され、業界団体のコンテストで表彰を重ねている。振り返れば豪雨被害はイノベーションの転機となっていた。
痛感したのは「日々がピンチとチャンスの連続」であると自覚することだ。より良い選択を積み重ねるしかない。ただし、すべての選択が成功するわけではない。選択が正しくても実行する力がなくては意味がなく、実情に沿った選択が必要だ。「決して安心していない。再度の災害など、あらゆる逆境はいつでも起きうる」(西氏)
西氏の見立てでは、少なくとも今後半年間は輸出事業の動きが止まるという。その間に工場の生産性向上や通販事業の強化、新商品づくりなど、お茶コンテンツのさらなる強化を進める。西氏は「何事も一発逆転はない。一所懸命に取り組む」と語る。
西福製茶(株)
代表:西 宏史
所在地:福岡市博多区博多駅前1-24-14
設立:1936年5月
資本金:1,000万円法人名
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