JARO、新型コロナ関連広告の苦情問い合わせが100件超え
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(公社)日本広告審査機構(JARO)は7日、新型コロナウイルス感染症に関連した広告表示の苦情が、1~3月末までに計118件寄せられたと発表した。
発表内容によると、苦情の内訳は「表示に関する内容(効果・便乗・おとりなどの苦情)」が50件、「広告表現に関する内容」が68件。表示に関する内容では、「便乗と思われるもの」が20件、「効果をうたうもの」が17件、「価格に関するもの」が9件など。商品・サービス別では石鹸、消臭剤、次亜塩素酸を含む「除菌関連商品」が16件でもっとも多く、「マスク」が15件、茶葉、サプリメント含む「食品」が8件、「空気清浄機」「消毒サービス」が各2件などとなっている。
主な苦情内容はエアコン洗浄の広告に「新型コロナウイルス対策に分解洗浄をなどと表示しており、必須とまで書いてある。この表示はひどいのではないか」「除菌スプレーのスーパーの店頭広告で、アルコール除菌や99.99%除菌などとうたっているが、今の時期に見ると新型コロナウイルスに効果があると思ってしまう。メーカーに問い合わせるとアルコール58%のキッチン用消毒用品だという。紛らわしく、便乗商法としか思えない」「母親宛に健康食品のダイレクトメールが送られてきた。新型コロナウイルスへの言及があり、酵素を飲んで免疫を上げろというだけでコロナウイルスとは関係ない。完全に誇大広告で一人暮らしの高齢者だったら購入してしまうかもしれない」との声があった。
広告表現に関する内容については「不謹慎、不適切」が34件で、「時期的に不適切」が18件、「商品供給やサービス提供が不可、遅延」が11件、「不衛生」が5件など。商品・サービス別で見ると、健康食品を含む「食品」が13件でもっとも多く、「交通・レジャー」が11件、「医薬品」が9件、「除菌剤・マスク」が8件、「ギャンブル」が7件、「通信サービス」が4件の順となっている。
こちらも主な苦情内容として「チャイムを鳴らし重要なお知らせといっているが、新型肺炎拡大のなか、行政機関によるCMと区別が付かないような演出は悪質」「外出自粛要請が出ている時期にアミューズメント施設のCMが流れている。若者が集まる施設の広告は不適切」「医療機関でのマスク不足が報道されているので、病気ではない施術でマスクを使う美容外科のCMは中止したほうが良い」などの意見があった。
JAROではこうした新型コロナウイルス対策と安易に表示(暗示)する便乗広告や、実証されている範囲を誤認させる内容や、ウイルスへの効果を表示した、規制に違反する恐れがある広告がみられたとし、とくにウェブ広告については、「SNSを見ているときに、大手通販サイトのマスクの広告が毎日掲載されるが、通販サイトではずっと前から欠品している」「ゲームサイトに大手通販サイトのバナーが出てマスクが800円と書かれているが、サイトに飛ぶと6,000円から販売になっている」など、広告の仕組み上、やむを得ないのか意図的なのか判別できない内容についての苦情が寄せられているという。さらにフリーマーケットのアプリケーションで出品されたマスクや除菌剤が模倣品や空のボトルだったという苦情もあったという。
JAROは感染拡大防止の体制を取るなかで、広告を審議する委員会をオンラインで開催するなどの試みを続けており、問題があると思われる広告を見かけたら問い合わせるよう呼び掛けている。
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