業界ならではの医療支援を実施～（株）ミスミグループ本社のメヴィー

　（株）ミスミグループ本社は11日、医療機器や医療物資を製造する企業に対する図面手配部品の無償提供を実施することを発表した。同社は世界的なシェアをもつ機械部品製造会社で、16年には、次世代加工部品調達プラットフォーム「meviy（メヴィー）」（以下、メヴィー）のサービスを開始。メヴィーはAI技術を導入することで、カタログ販売の限界を超えたサービスを提供している。

　対象は人工呼吸器や血液検査装置、マスクなど医療現場で利用される機器や物資を製造する装置・設備に使用する部品のうち、メヴィーを利用して発注できる機械加工部品。装置の製作に必要な部品を短納期、かつ無償で提供することにより、医療物資の供給円滑化を促し、ミスミグループとして新型コロナウイルス感染症の拡大防止に貢献する。無償金額は1社あたり総額10万円までとし、特設サイトからの申込みが可能となっている。

　同社は「人工呼吸器やマスクなどの医療機器・物資供給拡大に製造業界が総力をあげて対応している。この一刻一秒を争う状況下、これらの装置製作を行うものづくり企業を支援し、必要な部品を迅速に供給、装置製作のスピードを上げることが、我々“ものづくりの、明日を支える。” ミスミグループの使命であり、感染拡大防止支援につながるものと考えた」としている。
　また、「時間と戦う医療従事者の皆さま、またその医療を支えるものづくり企業の皆さまの一助となることを心から願い、ミスミグループは今、私たちにできることを実践していく」とし、異なる業界であっても、「できることをする」姿勢を見せている。

　自動車メーカーや家電メーカーによるマスクなどの医療物資製造など、国内では感染症対応の最前線に立っている医療業界へ各業界からエールが送られている。指示されてからではなく、自ら行動を起こす多くの企業の姿を見ると「まだまだこの国はやれる」と思えてくる。私たちがこの苦境を乗り越えていくうえで、できることは“自粛”だけではないはずだ。

【麓　由哉】