コロナ大不況が迫る安倍ドケチ財政転換
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は大不況が深刻化しつつある状況下においては政府が国民生活を支えるしかないと訴えた5月14日付の記事を紹介する。
コロナウイルス感染拡大にともなって発出された緊急事態宣言が5月14日に一部解除される。解除されるのは重点的な対策が必要な13の「特定警戒都道府県」のうち茨城、石川、岐阜、愛知、福岡の5県と特定警戒以外の34県の計39県。
宣言解除の目安は「過去1週間の新規感染者数が人口10万人あたり0.5人未満」とされるが、特定クラスターが数値を押し上げている場合は、これを除外して算出される。
北海道、東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、京都、兵庫の8都道府県は特定警戒都道府県として緊急事態宣言が維持される
特定警戒都道府県とそれ以外の解除された県との行き来については、引き続き自粛が要請される。経済活動の急激な悪化を踏まえて宣言が解除される見通しだが、このようなゼロイチ方式はコロナ対策として妥当でない。
感染拡大が抑止傾向を示したのは、行動抑制で人と人の接触が削減されたからだ。逆にいえば、人と人の接触が拡大すれば感染が再拡大する可能性が高い。
社会全体で集団免疫を獲得できている状況ではないと考えられる。これを前提とすれば、行動抑制の解除は感染再拡大をもたらす可能性が高い。
従って、行動抑制に段階を設定し、段階的な行動抑制緩和を行うべきだ。ゼロイチ思考で中間的対応が明確に示されないことは合理的でない。
「新しい生活様式」との表現で従来と異なる行動が求められるが、「緊急事態宣言解除」の表現がもたらす反動的行動が警戒される。
コロナ感染拡大による経済への影響が急拡大している。米国では5月8日に発表された4月の雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比で2,050万人も減少した。失業率は前月比3倍以上の14.7%に急上昇した。米国史上最大の悪化を示した。
FRBのパウエル議長は5月13日のオンラインセミナーでの講演で、年間所得が4万ドル(約428円)を下回る家計の40%近くが3月に職を失ったと指摘した。激烈な影響が顕在化している。
日本では昨年10-12月期の実質GDP成長率が年率マイナス7.1%に急落した。ここにはコロナの影響はまったく含まれていない。昨年10月の消費税増税がもたらした深刻な景気後退である。
年が明けても消費は停滞したままだった。コロナ問題が表面化する前に、日本経済はすでに消費税大増税不況に突入していた。このことを見落としてはならない。
1-3月期のGDP統計は5月18日の午前8時50分に発表される。2四半期連続のマイナス成長になることは確実な情勢だ。年率5%以上のマイナス成長になる可能性がある。
さらに、本年4-6月期の成長率は年率マイナス20%程度にまで拡大する可能性がある。文字通りみぞうゆう(麻生流)の大不況到来だ。
消費税増税コロナ大不況である。4月30日発表の2月鉱工業生産統計では生産指数が前月比3.7%減少(季節調整済)し、生産指数の水準が2013年1月以来の低水準になった。
※続きは5月14日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「第2次補正予算で消費税率ゼロ実施せよ」で。
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