感染急拡大下旅行推進という狂気の沙汰
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「東京都の感染者数が連日200人を超えて過去最高を更新しているが、ここにきて検査数が急増しているのは、検査が必要なケースが急増しているからだ」と訴えた7月10日付の記事を紹介する。
東京都の感染者数が連日200人を超えて過去最高を更新している。
小池都知事は「積極的な検査」の結果だというが、安倍内閣は不必要な検査は行わないとの姿勢を押し通してきた。
つまり、やむにやまれぬ事情がない限り検査しないという対応を続けてきたのだ。ここにきて検査数が急増しているのは、検査が必要なケースが急増していることを意味する。
本ブログ、メルマガで何度も図示してきたが、人の移動と感染者数との間には有意な相関関係が観察される。
Apple社が提供している人の移動指数と東京都の感染者数が鮮明な連動関係を示している。
人の移動(交通機関)指数を3週間ずらして東京都の新規感染者数と比較すると見事な連動関係を示す。人と人の接触があってから感染者数として確認されるまでのタイムラグは3週間である。
一般には2週間とされるが、3週間のほうが説明力が高い。
人の移動指数がピークを記録したのが3月20日だった。
3月20日から3月22日の三連休の人出が急増した。
3月19日の専門家会議会合を受けて安倍内閣は全国の小中高の学校再開を宣言した。このとき、安倍首相は東京五輪を7月に開催するつもりでいた。
状況を冷静に正確に判断することができない。7月に入ったいま、日本がどのような状況にあるのか。
安倍首相は3月24日まで、7月の東京五輪を開催するつもりでいた。
判断力、決断力、実行力のないリーダーは主権者に迷惑をかけるだけだ。
3月24日に東京五輪の延期が正式に決定された。五輪延期が決定されて小池都知事と安倍首相の態度が急変した。
3月1日に東京マラソンを強行した小池都知事が突然「感染爆発重大局面」と騒ぎ始めた。
厚顔無恥の権化といえる。
3月20日をピークに人の移動指数は低下した。人の移動指数が最低値を記録したのが5月5日。
ゴールデンウイークが終わるまで、日本の主権者は完璧な外出自粛を実行した。
その結果として5月下旬に新規感染者が大幅減少したのである。
しかし、連休明けから安倍内閣はスタンスを変えた。行動抑制を行動推進に切り替えた。
5月14日から5月25日にかけて、全国47都道府県に発出した緊急事態宣言をすべて解除した。
小池知事は一瞬だけ「東京アラート」という名の警戒表示を行ったが、合理的な説明もなく一方的に廃止してしまった。
営業自粛要請が都知事選での得票に不利に働くと判断したのだと思われる。※続きは7月10日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「感染急拡大下旅行推進という狂気の沙汰」で。
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