中国経済新聞に学ぶ~孫正義氏と馬雲(ジャック・マー)氏が、なぜ別れたのか(後)
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昨年12月6日に行われた2019年東京フォーラ厶で、馬氏は孫氏について、「おそらく世界の投資家のなかでもっともガッツがある。彼ほど勇気がある人はそういない」と評価し、孫氏はこれを受けて、「そのガッツが損を生むこともあるけれど」と述べた。
アリババ株は現在、ソフトバンクが保有する資産のなかで依然としてもっとも価値があるものだ。孫氏はこれまで一度ならず対外的に、「できるだけ長くアリババ株を持ち続ける」と述べてきた。今年6月25日に行われたソフトバンククループの今年の株主総会でも、孫氏は変わりなく、「ソフトバンクはできるだけ長くアリババ株を持ち続ける」と述べた。
実際には、ソフトバンクは16年からアリババ株を少しずつ売却している。今年3月23日には、410億ドル分の資産を売却すると突然発表し、そのなかには時価総額140億ドル分のアリババ株も含まれていた。
外部からは、ソフトバンクがこのほどアリババ株を売却し、孫氏がアリババの取締役を退任した直接の原因は巨額の損失だとみられている。
孫氏はここ数年、シェアオフィス事業のウィーワークと配車アプリのウーバーヘの投資を続けていたが、両社の経営難でソフトバンクの損失がふくれあがったことから、孫氏の手腕を疑う声が出ていた。
アリババ以外に、ソフトバンクが大量に保有する優良資産にT-モバイル株がある。T-モバイルは米国3位の通信会社で、時価総額は1,250億ドルを超える。資金を調達するため、ソフトバンクは保有する時価総額200億ドル分のT-モバイル株も売却しようとしている。
今年3月31日までの19年度に、ソフトバンクのベンチャー投資部門ビジョンファンドは170億ドルの損失を計上した。
ロイター通信の報道では、ビジョンファンドは今年3月末までに、スタートアップ企業88社に計750億ドルを投資したが、投資先企業の時価総額は696億ドルにとどまる。
ウーバーとウィーワークヘの投資だけでも、ソフトバンクの損失は100億ドルに迫るという。
(了)
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