九州地銀(18行)の2021年3月期 第1四半期決算を検証する (1)
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【表1】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の2021年3月期 第1四半期(6月期)の決算発表日推移表である。
~この表から見えるもの~
◆今年のトップは昨年に続き、8月3日(月)の西日本FH(西日本シティ銀行・長崎銀行)の2行。
・次は8月5日(水)で、筑邦銀行、南日本銀行、佐賀共栄銀行の3行。
・8月7日(金)がピークで、ふくおかFG((福岡銀行・熊本銀行・親和銀行・十八銀行)の4行、山口FG傘下の北九州銀行、大分銀行、佐賀銀行、豊和銀行、宮崎太陽銀行の5行。
・8月11日(火)は宮崎銀行と福岡中央銀行の2行。
・8月12日(水)は九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)の2行。これで第1四半期(20年6月期)の決算が出揃った。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が懸念されたが、結果的には昨年より2日短縮されている。
◆ふくおかFGは2016年2月、十八銀行と経営統合すると発表。しかし公正取引委員会は、傘下行に親和銀行をもつふくおかFGが十八銀行と経営統合すると、長崎県内の融資シェアが寡占的になるとの見方から、「懸念が解消される措置を取るよう」求めたため、無期延期状態が2年半続いていた。
・そこで、ふくおかFGと十八銀行は、貸出債権を他の金融機関に譲渡し、シェアを下げることを決断。長崎県内に本店がある長崎銀行や支店がある西日本シティ銀行、肥後銀行、佐賀銀行などが受け入れを表明したため、ふくおかFGと十八銀行は「他行への債権譲渡により、問題視されてきたシェアの高さは緩和される」とする報告書を公取委に提出。
◆19年3月期 第1四半期(18年6月期)決算短信公表日のトップはふくおかFGで、7月31日だった。トップで決算を発表した裏には、公取委に「早く承認するよう」にと催促するためのサインだったと見られる。その努力が功を奏し公取委は18年8月23日、ふくおかFGと十八銀行の経営統合を承認。発表から3年余り経った19年4月1日に経営統合をはたした。<まとめ>
今年10月1日、十八銀行と親和銀行が合併し十八親和銀行が誕生する。新銀行の頭取には十八銀行の森拓二郎頭取(65)、会長に親和銀行の吉沢俊介頭取(64)が就く予定となっている。
両行は合併後、直ちに重複する店舗の統廃合を進め、効率的で安定した経営基盤を構築することに全力を尽くすことになりそうだ。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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