夢は見るものではなく、叶えるものである!(6)
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(一社)日本シニア起業支援機構 代表理事 松井 武久 氏
コロナ騒動で世界の軌道は確実に一度止まった。「自然が人類のリセットボタンを押した」と言われているが、これから起こる大不況に関しては、IMFや世界銀行が厳しい予測を発表しても、多くの国民は実感として受け止める用意ができていない。今後、私たちはどのように生きて行くべきなのだろうか。
実務経験の豊富な産・学・官のシニアが、智慧と経験と人脈を最大限に活かすメンター(優れた助言者)として「起業の早期成功発展」を支援し、社会貢献を目指す(一社)日本シニア起業支援機構(J-SCORE)の松井武久 代表理事は、「今ほどシニア世代の活躍が求められるときはない」と語る。
吉田松陰の言葉「夢は人生を豊かにする」
――最後に、若者とシニア世代の読者にメッセージ、エールをいただけますか。
松井 私は、自分の流儀でもあるのですが、「過去は忘れましょう。今を一番大切にしましょう。今、何ができるかを考えましょう。そして、将来に夢と希望をもちましょう」という言葉をJ-SCOREの会員や講演会などでお伝えしています。
若い人には吉田松陰の「夢は人生を豊かにする」という言葉を送りたいと感じます。今はコロナの影響で、日本社会も世界も非常に混迷を極めています。そして、間違いなく大不況になるでしょうが、いつの時代にも若者には無限の可能性、将来があります。できるだけ、大きな夢をもって欲しいと感じています。小さな夢では意味がなく、いつまでも夢を持ち続けなければいけません。そして大事なことは、夢は見るものではなく、叶えるものということです。
私は高校ではバレーボール、大学では空手や野球、社会人になってからは、テニス、卓球、ソフトボールに励み、現在はマラソン(ホノルル、北京、シドニーマラソン大会に参加)をしています。60歳を超えてから、5kmのランニングを毎週3回欠かさないようにしています。
「夢は人生を豊かにする」という言葉について、アスリートを例に挙げると、まず、女性サッカーチームの「なでしこ」があります。男性にはJリーグがありましたが、女性には公式リーグがなかった時代、なでしこは2011年FIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会で優勝をはたしました。キャプテンを務め、得点王とMVPを獲得した澤穂希選手は「何をやるにしても壁はある。壁にぶつかるからこそ、人はがんばれるんだと思う」という名言を残しています。
また、1996年のアトランタ・オリンピックの女子マラソンで3位に入賞した有森裕子選手は「自分で自分をほめてあげたいです」、92年バルセロナ・オリンピックの競泳女子200m平泳ぎの若干14歳の金メダリストの岩崎恭子選手は「今まで生きてきたなかで一番幸せです」という名言を残しています。
いずれも、大きな夢を成し遂げた心の声です。ぜひ、読者の皆さまも、それぞれの分野で大きな夢を実現するために、切磋琢磨していただきたいと感じます。昔とは異なり、現在は夢を実現できる数多くの選択肢があります。
若者の重荷とならないよう、生きている限り生涯現役
松井 続いて、シニア世代の皆さまに申し上げます。私は「シニアとは年齢のことをいうのではない」と考えています。その人がいかに豊かな経験を積んでいるか、その経験の内容の濃さ・深さに対しての言葉であると感じています。
ぜひ、日本の多くの若者が夢を実現できるよう、また彼らの重荷とならないよう、生きている限り生涯現役として社会貢献活動に参加していただきたいと感じます。ゴルフ、ダンス、囲碁、将棋、映画なども良いですが、それだけでは人生は決して豊かになりません。
ぜひ、みなさまの経験、知識、智慧を私たちと一緒にJ-SCOREで活かしてほしいのです。仕事を通して「相手の喜びが自分の喜びにつながる瞬間」は何ごとにも代えがたいものです。日本経済の発展に寄与する一方で、シニアは自ら生涯現役として、充実した人生を送りましょう。
(了)
【金木 亮憲】
<INFORAMTION>
(一社)日本シニア起業支援機構(J-SCORE)
実務経験豊富な産・学・官のシニアが、その智慧と経験と人脈を最大限に活かして、「起業の早期成功発展」をメンター(優れた助言者)として、社会に貢献することを目的に、経産省所管の(社)日本工業技術振興協会(JTTAS)を前身に、2015年に設立された組織。
日本の人口構成の大部分を占めるシニア層が、年齢に制限なく生涯現役として活躍することで起業が容易になり、新規起業家が増え日本経済が発展すると同時に、シニア自身が生涯現役として生き甲斐をもった人生を送ることを目的としている。起業家に対してさまざまな支援活動を展開している。
<プロフィール>
松井武久(まつい・たけひさ)
(一社)日本シニア起業支援機構(J-SCORE)代表理事。技術士・技術経営研究センター 所長。1943年中国・青島生まれ。山口大学工学部を卒業後、66年三菱化成(株)(現 三菱化学(株))入社。機械技術関連の仕事に携わる。
88年同黒崎工場 エンジニアリング部長、97年三菱樹脂(株)生産技術部長、98年同取締役を歴任後、2000年三菱化学MKV(株)常勤監査役に就任。03年(独)農業生物資源研究所 非常勤監事、05年(独)農業環境技術研究所 常勤監事。09年(社)日本工業技術振興協会(JTTAS)のリスクマネジメント研究会・事務局長、および未来農林事業開発研究会・会長を歴任。職業能力開発総合大学校、桐蔭横浜大学大学院の講師を務めた。関連記事
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