女性活躍の時代を反映、NYと東京から女性講師が登壇~日本ビジネスインテリジェンス協会第171回例会開催(4)
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日本ビジネスインテリジェンス協会(中川十郎会長・名古屋市立大学特任教授)の第171回例会が10月29日、DEVNET INTERNATIONAL (以下、DEVNET)世界本部(東京・新橋)で開催され、国内外総勢13名の講師による、ユニークかつ貴重な発表が行われた。
現地会場とオンラインのいずれでも参加できるハイブリッド形式で開催され、ニューヨーク、東京、山形、新潟、京都、神戸、大阪、島根などから、60名を超える有識者が参加した。Zoom会場となったDEVNET世界本部には、30名を超える講師や参加者が集まった。
バイデン氏かトランプ氏かで180度違う環境政策
最後に、コロナと社会科学のテーマで5人のスピーカーが登壇した。
1人目は、今回の例会にてZoom会場を提供した明川文保氏(DEVNET世界本部・総裁)。DEVNETは、国際連合主要機関の1つである国連経済社会理事会(ECOSOC)がカテゴリー1に認定する組織である。同組織はロベルト・サビオ氏とガリ元国連事務総長の働きがけで、1985年イタリア・ローマに創設された。発展途上国間および先進国と発展途上国間の交流を目的とし、世界規模の技術、経済および貿易のグローバルな情報ネットワークを構築している。現在、166カ国、約150万社がこの機構を利用しており、明川氏は昨年12月16日に同組織の世界本部総裁に就任した。
明川氏は「国際認証DEVNETの活動とSDGs」と題する講演でDEVNETの活動詳細を披露。今後も、DEVNET 世界本部・総裁と(一財)東久邇宮国際文化褒賞記念会・代表理事という両輪で、国連のSDGsの目標達成に尽力したい、と語った。DEVNET JAPANの名古屋支部は、今年10月20日に設立された。
2人目は、加藤春一氏((一社)縄文道研究所所長)。「縄文道」とは未来への道である。縄文文化の有する精神パワーを現代に蘇らせ、新しい世界と社会を形成し、全人類の共通の望みである平和実現(国連SDGsなど)を目標としている。
加藤氏は「コロナパンデミックと縄文文化」と題して講演し、10月現在で「日本の新型コロナウイルス感染者は約9万6,000人、死亡者は約1,600人」と、世界的に見て感染者や死亡者が絶対的に少ないという事実を示し、その背景には縄文文化以来、形成されてきた知見と知恵、武士道の道徳体系(自然、水と空気に恵まれた環境、折衷の叡智である和洋薬、集団免疫、自然免疫の獲得など)があるのではないか、と語った。哲学者の梅原猛氏は「日本人すべての精神性の基層は、縄文文化1万4,000年間に形成された」としている。
3人目は、岡本博之氏(名古屋市立大学特任教授)。岡本氏は「コロナ禍と世界エネルギー産業の未来」と題して講演し、「今はコロナ禍で世界情勢は刻々と変化し、経済もマイナス成長が続いています、そのなかで大きな打撃を受けたのがエネルギー産業、とくに石油業界です」と語った。そして、2019年が石油需要のピークの年になる、という持論を展開した。
岡本氏は、環境問題における世界の行方について、米大統領選でバイデン氏が勝てば、「パリ協定」へ復帰、グリーンエネルギー政策が実施される(4年間で2兆ドルの投資)、電気自動車、再生可能エネルギーも促進されるとの予想を述べた。
4人目は、大島英雄氏(大島経営研究所所長)。大島氏は大手製造業・専門商社で長年、輸出業務に従事し、現在は教育機関など(前ジェトロ国際ビジネスアドバイザー、元 国士館大学・法政大学講師)で貿易講座の講師をしている。大島氏は「香港問題と一帯一路」と題して講演し、「香港国家安全維持法(国安法)」(6月30日施行)を中心にすえて、在香港米国商工会議所が同法施行後に実施した調査結果を基に、香港に関連した経済活動の動きについて語った。
「国安法は外国企業の香港進出に対してどのような影響をおよぼすか」「外国企業の投資にどのような変化が生じるのか」「一国二制度は、今後はどのような状態で維持されるか」「外国企業への優遇措置にどのような変化があるか」「香港から米国へ輸出する際に、変化はあるか、輸出できないものが出てくるか」などの問題について言及し、今後も中国の動きをウォッチしていきたいと語った。
5人目は村石恵照氏(武蔵野大学客員教授、光輪寺住職)。村石氏は「すべての物事は歴史的、物理的にダイナミックに連動している」という仏教的思考「縁起論」(※)に基づき、コロナのパンデミックの背景をさまざまな方面から探って見せた。
「新型コロナウイルスは自然発生か、人工的に製造されたか」「武漢から事故として漏れたか、意図的に漏らしたか」、意図的である場合、「誰が何のために」など、すべて公開された資料を基に、その縁起について解説した。そのなかでも興味深い内容を下記に紹介する。
・架空小説『The Eyes Darkness』(by Dean Koontz)が1981年に出版された。その内容は「“ウイルス武漢400”が武漢の軍事研究所で開発される。そのウイルスは人工的につくられ、100%の致死率をもつ」というものである。
・米国のオバマ大統領(当時)は15年に武漢研究所に数百万ドルを提供している。
・中国・武漢で「世界軍人オリンピック(世界軍人運動会)」が19年10月18日~27日に開催され、109カ国から9,308人の職業軍人が参加した。開催中に、米国籍の選手中5人が“マラリア”なる輸入感染症にかかり、軍人オリンピックの終了後、米軍の軍用機で帰国した。最後に、村石氏は、コロナのパンデミックによって世界中が従来の国家観に迷う時代ではあるが、日本は「和」(非覇権性の協働理念)の国であることを改めて自覚し、国民融和の価値観を大事にしていかなければならない、と結んだ。
すべての講演が終わり、香取一昭氏(BIS副会長、マインドエコー代表、元NTT西日本常勤監査役)の挨拶で、BIS第171回例会は幕を閉じた。
(了)
【金木 亮憲】
※原因があって、結果があること。
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