世界平和に向けて(14)外国人技能実習制を活用する受入企業の真意と実態〜「ガトーフェスタ ハラダ」洋菓子の(株)原田(後)
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今回のコロナ禍で、外国人技能実習制度(以下、本制度)について知ったという人は意外と多いのではないか。本制度の目的は、開発途上国への技術・情報提供を基にした社会貢献事業であるが、中小企業を中心に人材不足を補完するための制度となっているのが実情だ。本制度を利用し、ベトナムを中心に実習生を招き入れ、洋菓子の製造・販売業を行っている(株)原田に話を聞いた。
今後の実習制度~受入企業の責任
コロナ禍によって国境を越えた人の移動が困難になっているため、多くの企業で本制度の利用が滞っている。また、外国人技能実習生が採用期間を過ぎても自国に帰ることができないケースや、受入企業が実習生を雇用し続けることができなくなり、不当解雇という問題が生じている。
この背景として、諸外国にある送出機関の問題や実習生を守る第三者機関の不足なども指摘されるが、受入企業の体質の早急な改善がまずなされるべきであろう。しかし、中小企業を取り巻く環境はコロナ禍で悪化の一途をたどり、多くの企業が新卒・中途採用を取りやめ、アルバイト・派遣社員を中心に解雇を進めている状況だ。実習生へのケアが企業側に大きく求められており、今後も実習生を受け入れる企業には「実習生を守る責任」があると言っても過言ではないだろう。
原田では、2019年10月にベトナムで面接を行い、採用を決めた、5期生の実習生6名を受け入れる予定となっている。コロナの影響により入国が足止めされているが、ベトナムの送り出し機関の学校で日本語の勉強を継続しているという。原田氏は「実習生の不安解消を目的として、毎月2回、スカイプを活用して日本語での会話を行うなど、フォローをしています。次の6期生の採用についても、コロナが世界的に鎮静化すれば、ベトナムで面接を再開し、迎え入れを継続したいと考えております」と意欲を示す。
また、「実習生と日本人社員に勤務条件の違いはない」(原田氏)としており、それは今後も変わることがないという。実習生による社会的な問題は、外国人という点に注目が集まりがちだ。もちろん、罪を犯すことに問題はあるが、その要因は、実習生の国民性に限ったことでは決してない。
本制度は社会貢献事業として始まったものであるが、今は人材不足に悩んでいる日本にとって「経済を支える」役割をはたしていることに目を向けるべきではないだろうか。それゆえ、政府や自治体、受入企業が一体となって実習生を守り、導くことが、本制度の本来の目的が果たされるためにも必要ではないかも自ずとはたされるだろう。
(了)
【麓 由哉】
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