「福岡クリスマスマーケット2020」報告〜サエキジャパン・佐伯岳大社長
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福岡の冬の風物詩「福岡クリスマスマーケット」。新型コロナウイルスの影響で大小さまざまなイベントが中止となるなか、「福岡クリスマスマーケット2020」は無事に昨年12月25日にフィナーレを迎えた。実施に当たって考えたことや現在の心境などについて話を聞いた。
「多くのお客さまにきてもらえて、嬉しかった」と、先月25日に終了した「福岡クリスマスマーケット2020」を振り返る(株)サエキジャパン代表取締役社長・佐伯岳大氏。今回開催したことによる成果について、佐伯社長は「なんといっても無事に最後まで実施できたこと」と語る。来場客数は前年の約7割とのことであったが、12月24、25日には例年並みの水準に達し、大きな盛り上がりをみせたという。
自粛はしても委縮はしない
新型コロナウイルスの感染という、困難な状況ではあったが、佐伯氏はむしろやる気が沸き、行動に移したという。「自粛はしても萎縮はしない」という思いで、「クリスマスマーケットができることを模索し、市民に勇気や希望などを届けたいと願った」という。クリスマスマーケットを無事に開催できた現在、「何か見えないもの、売上以上の無形のものを手にすることができた。まちの皆さんを元気づけられた」と成長を実感している。
今回のクリスマスマーケットは新型コロナウイルスの感染というなかでの開催であり、その決断も実施中の運営も神経をすり減らすものであったはずだ。飲食エリアの入場にはクリスマスマーケットの公式アカウント、もしくは「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」の登録を求めるなど、最大限の感染防止措置を講じた。
中洲に希望の光を灯す
クリスマスマーケットでは毎年会場内において音楽などのイベントを実施していたが、今回は人が一カ所に集中して滞在することを避けるため、実施を見送った。
ただ、そのなかでも新しい試みを行った。それは博多会場と天神会場の中間に位置する中洲において、『ナカス キボウ ノ ヒカリ2020』と題して、新たなイルミネーションスポットを設置し、両会場を繋ぐこと、希望の光を灯すことであった。このように、逆境においてもクリスマスマーケットを拡大している。
多くの顧客は佐伯氏らのクリスマスマーケット開催の意思を聞いて驚いたものの、納得して協賛企業に名を連ねた。2013年から毎年積み重ねてきた実績と、クリスマスマーケットにかける佐伯氏の想いに応えたものであろう。昨年はほかにも少なくないイベントを予定していたが、ほぼ実施を見送り、クリスマスマーケットに専念したという。
季節感を提供する
事業の多角化、収益の多様化のため、昨年、雑貨の通販サイト、YouTubeチャンネル事業を始めた。21年はそれらを軌道に乗せていきたいという。
佐伯氏はサエキジャパンについて、「イベント会社ではない。春、夏、秋、冬にまちを楽しくし、皆さんに季節を感じてもらいたい」と「季節とともに」あることを強調する。18年からは盆踊りのイベントであるはかた夏祭り(20年は中止)なども始めている。
福岡にクリスマスマーケットという新たな冬の過ごし方、ライフスタイルを定着させた同社。今後は四季において、福岡のまちをより楽しませる存在へと大きくなっていくことを期待したい。
【茅野 雅弘】
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