Withコロナ時代の歯科診療は感染防止策を徹底 空港口24時間歯科
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厚労省が歯科診療特有の感染リスクを指摘
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国内の医療機関では感染防止対策が進んでいる。しかし、昨年の緊急事態宣言以降は感染リスクを恐れた患者の「受診控え」が広がっており、感染リスクに加え収益減というダブルインパクトが医療機関の淘汰を進めるという指摘もある。
感染症対策は、医療機関とともに歯科医院にとっても喫緊の課題。厚生労働省は昨年4月6日、日本歯科医師会に対して「歯科医療機関における新型コロナウイルスの感染拡大防止のための院内感染対策について」とする通達を出した。
そのなかでは「歯科診療においては、唾液等の体液に触れる機会が多いことや歯の切削等によりそれらが飛散することがある」として歯科診療特有の感染リスクを指摘したうえで、「緊急性がないと考えられる治療については延期することなども考慮すること」などと要請している。
こうした厚労省の動きが影響したのか、歯科診療の受診者は4月7日の緊急事態宣言の前後から目に見えて減っている。福岡市博多区の「空港口24時間歯科・小児歯科医院」(以下、空港口24時間歯科)でも、その影響は大きかったという。
「緊急事態宣言が出て以降は、マスクや消毒液が不足して入手するのが困難でした。いまは不足することはないものの仕入れ価格が2倍以上になっているので、経営面でかなり負担になっています」(花田裕紀同院院長)
「患者さんの数も(昨年の)緊急事態宣言が出てからは極端に減りました。おそらく企業が社員に対して緊急性のない病院受診を控えるように要請したのが原因で、その影響で定期健診のキャンセルが相次ぎました。1日の診療数は一時期やや減少しましたが、いまはほぼ通常のレセプト(診療報酬明細書)数に戻っています」(同)
Withコロナ時代の歯科診療
空港口24時間歯科では、新型コロナウイルスを含むすべての感染症リスクを減らすために細心の注意を払っている。もともと院の構造自体が吹き抜けのような空間になっているため換気については十分なものの、プラズマクラスターと次亜塩素酸空間除菌脱臭機(ジアイーノ)も常に稼働させている。ドクターやスタッフに加え受診者の検温も徹底しており、少しでも体調に異常が見受けられた場合は受診を控えてもらっている。
診療にあたって、歯科医師はマスクに加えてフェイスシールドを装着し、現状考えうる限りの対策を敷いた。花田院長によるとこうした対策は一時的なものではなく、今後も継続してとられる「ニューノーマル」(新しい日常)だという。
「クレゾールでの手洗いや次亜塩素酸ナトリウム消毒液での消毒など、これまで以上の感染症対策が求められています。今後はこれが普通の風景になるのでしょう。Withコロナ時代の歯科診療ということですね」(同)
【データ・マックス編集部】
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