「インバウンド消失」で伸びる海外ネット通販の意外なニーズ(前)
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言葉だけではないネット通販の「国境の壁」
コロナ禍の「インバウンド消失」で、海外向けのネット通販に取り組む店舗が増えている。
通販サイトの購入画面(ショッピングカート)の多言語対応、海外決済、発送など125カ国への海外輸出代行サービス「WorldShopping BIZ」を展開する(株)ジグザグ。代表取締役・仲里一義氏は「コロナ禍でネット通販に参入する企業が多いなか、さらなる販路の開拓先として海外へのネット販売にようやく目を向け始めたのではないでしょうか」と話す。
海外発送代行サービスを行う同社が提供している、購入画面上の多言語カート表示対応などを用いることで、大手アパレルメーカーや百貨店などが相次いで海外向けのオンライン販売を開始している。
Google翻訳の進化で外国語サイトも読めるようになり、海外から購入する「国境の壁」は低くなったように思われたが、「国境の壁」は言葉以外にもあるようだ。
たとえば、海外諸国へ商品を配送する物流、海外クレジットカード決済や、アリペイ、ユニオンペイ、Paypal、Amazonペイなどの海外キャッシュレス決済の対応、外国語での問い合わせの対応、注文ページに日本語入力が必要などという問題も、海外から購入する際の壁になってきた。また、商品を無事に届けるために、配送中にどのような扱いを受けても壊れない梱包も欠かせない。
同社が展開する「WorldShopping BIZ」は、現在およそ1,000サイトが導入している。ウェブサイトを動かしているHTMLコードにJavaScriptの1行のタグを追加すると、海外からアクセスがあったときに利用しているブラウザ言語を識別して、英語、中国語(簡体字・繁体字)、日本語に対応した購入画面が出現し、海外決済や海外配送ができる仕組みだ。
オンライン店舗から同社の拠点に、海外ユーザーから購入依頼のあった商品を送ると、到着後に同社が中身を開封して確認し、海外顧客へ発送する。月額使用料5,000円(税抜)は店舗が負担、手数料10%と海外送料は購入者が負担している。
(つづく)
【石井 ゆかり】
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