九州地銀の2021年3月期 第3四半期(12月期)決算を検証する (5)
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【表】を見ていただきたい。九州地銀17行(FG・FH含む)の2020年12月期の貸倒引当金順位表である(以下、億円未満は切り捨てて表示)。
(1) 金融グループの貸倒引当金順位表について
~この表から見えるもの~
・20年12月期の貸倒引当金残高トップはふくおかFG(3行)で、前期比▲69億円の2,000億円。貸出金に対する引当率は1.19%で、金融グループの平均0.95%を上回っている。
・2位は九州FGで同+21億円の700億円。貸出金に対する引当率は0.93%で、金融グループ平均の0.95%をわずかに下回っている。
・3位は西日本FH (2行)で同+8億円の419億円。貸出金に対する引当率は0.50%で、金融グループ平均の0.95%を大きく下回っている。(2) 九州地銀17行の貸倒引当金順位表について
~この表から見えるもの~
・貸倒引当金トップはふくおかFG傘下の福岡銀行で、前期比▲53億円の1,096億円。貸出金に対する引当率は0.99%となっている。
・2位は九州FG傘下の鹿児島銀行で同+11億円の437億円。貸出金に対する引当率は1.15%。
・3位はふくおかFG傘下の十八親和銀行で同▲20億円の436億円。引当率は1.05%。
・4位は西日本FH傘下の西日本シティ銀行で同+10億円の357億円。引当率は0.43%。第一地銀のなかでは筑邦銀行に次いで低い。
・5位は大分銀行で同+25億円の284億円。引当率は1.51%と高い。
・6位は九州FG傘下の肥後銀行で同+7億円の227億円。引当率は0.59%。
・7位はふくおかFG傘下の熊本銀行で同▲9億円の210億円。引当率は1.16%。
・8位は佐賀銀行で同+13億円の154億円。引当率は0.78%。
・9位は南日本銀行で同+2億円の131億円。引当率は2.22%。九州地銀17行中一番高い。
・10位は山口FG傘下の北九州銀行で同+11億円の105億円。引当率は0.85%。
・11位は宮崎銀行で同+10億円の98億円。引当率は0.46%。
・12位は豊和銀行で同▲7億円の55億円。引当率は1.33%。
・13位は福岡中央銀行で同▲1億円の39億円。引当率は0.91%。
・14位は佐賀共栄銀行で同+2億円の30億円。引当率は1.52%と高い。
・15位は宮崎太陽銀行で同▲4億円の27億円。引当率は0.52%。
・16位は筑邦銀行で同増減なしの20億円。引当率は0.38%。第一地銀のなかでは一番低い。
・17位は西日本FH傘下の長崎銀行で同▲2億円の3億円。引当率は0.13%。九州地銀17行中一番低い引当率となっている。<まとめ>
九州地銀17行の平均引当率は0.86%。第一地銀10行のうち平均引当率.0.86%を上回っているのは4行で、下回っているのは6行。第二地銀行7行のうち平均引当率を上回っているのは5行で、下回っているのは2行となっている。
今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響が新たに加わり、地域経済が厳しい状況に直面している。21年3月期の経営成績が予想通りとなるかどうかは、貸倒引当金次第といっても過言ではないのではないだろうか。
(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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